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Eastern and Little Nature Deity/Gensokyo Traveler's Journal: Difference between revisions

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Revision as of 07:35, 5 July 2018

幻想郷道中記 Gensokyo Traveler's Journal
蓬莱
「幻想郷」または「理想郷」という言葉で語られる幻の大地。その存在は我々人類がこれまで脈々と積みかさねてきた歴史の中において何度も登場してきた言葉だった。人々に良く知られるものとしてはイングランドのアーサー王伝説に名高い「アヴァロン」や、ケルト神話の妖精郷として知られる「ティノ・ナ・ノーグ」、また少々立ち位置の違いはあるが北欧/ゲルマン神話において勇敢な戦士たちが戦乙女に迎えられる館「ヴァルハラ」などが挙げられる。これら理想郷とは世界中の神話・民間伝承の中に形を変えながら刻みこまれた、ある種の共通項目といえるものだが、こと「東方」シリーズにおいて濃厚に感じられる東洋的な世界において最も知名度の高い理想郷が「蓬莱」または「蓬莱山」と呼ばれる場所である。
古代中国の前漢に編纂された歴史書「史記」にもその名が記される蓬莱は、中国の東に広がる海・渤海 (ぼっかい) の果て存在するとされていた神山で、他にも方丈、ja(瀛州)というふたつの神山と合わせ「三神山」と称されていた。そこには不老不死の神仙たちが住まうと信じられていた。
この神山を探す冒険に出たとされるのが、始皇帝で名高い古代中国の王朝・秦に存在した徐福は始皇帝に「蓬莱へ不老不死の霊薬を探しに行く」と上奏し、莫大な量の財宝と数千人の男女を従えて東方に船出したのちその消息を絶った。現代より遡ること2200年以上前のことである。
徐福たちが目指した蓬莱は一体どこだったのか? 実は日本がそうだったのではないかという説もある。九州沿岸をはじめ日本各地には徐福由来の土地とされる場所があり、徐福とその一行は海路を辿って日本にやって来たという解釈も頷けるというものだ。「竹取物語」は長寿国としても名高い日本。徐福が目指した場所は、本当にここだったのかも知れない?
シャンバラ
先に述べた蓬莱と並ぶ幻想郷として知られるシャンバラ。蓬莱が中国東方の海上に存在していると伝えられていたのに対し、シャンバラは中央アジア・崑崙 (こんろん) 山脈のいずこかの地下に存在するとされる伝説の都市であり、その名はサンスクリット語で「幸福を育むもの」という意味を持っている。シャンバラの名が歴史上に初めて登場したのは、1世紀頃に編纂されたチベットの古代宗教・ボン教の教典からだといわれている。
シャンバラという名がチベットから流出するきっかけとなったのは10世紀にこの地を探検したロシア正教の神父・セルギウスが書き残した冒険録による。それによるとシャンバラは各世紀に7人の人間にしか入国を認めず、そのうち6人は奥義を修めたのち地上に帰され、たったひとり選ばれた者だけがシャンバラで不老不死のままに過ごすことが出来るということだった。
セルギウスの報告以来その存在を信じる声が途絶えたシャンバラだが、18世紀フランス王宮を騒がせた謎の人物・サンジェルマン伯爵により再びシャンバラの名は日の目を浴びることとなった。自らを「四千年生きた男」と称し、多数の言語に堪能でなおかつ医学や科学の知識にも優れたこの怪人物は、1785年に友人の前に姿を現し「これからヒマラヤに隠遁する」と告げその姿を消したが、これがシャンバラのことではないかと人々に想起させた。
以後19世紀になり神智学協会の創始者・ブラヴァツキー夫人や神秘思想家・グルジェフらの著作内にてシャンバラの名は語られ、世界へと伝播していった。中央アジアの広大な大地の下に潜むシャンバラ。妖しく響く名を持つこの幻想郷は、我々を今もどこかから見つめているのだろうか。
実在の!? 幻想郷

岩手・遠野

今日では蓬莱もシャンバラも人々の想像力が生み出した幻想郷であると認識されているが、一方で妖怪などの伝承が根強く残る実在の幻想郷と呼ぶべき土地も存在する。ここで紹介する岩手・遠野はまさにそんな土地である。
明治から昭和を股にかけ活躍した民俗学者・柳田国男の代表作「遠野物語」は遠野で口伝されていた民間伝承を収集し近代民俗学に大きな影響を与えた書物である。ここに記された「デンデラ野」など「東方」ファンに身近な言葉の数々は、この地に生きた人々の歴史の証明である。実際に「座敷童子」が出ると噂される旅館が存在する遠野。幻想郷は今もここにある――。
新板
遠野物語
著者:柳田国男
角川ソフィア文庫
価格:500円(税込)