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Febri/Ten Desires and Touhou Project interview with ZUN Part2: Difference between revisions

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| ja  =「東方」とタイトルについている作品なのに、ラスボスが西洋風(吸血鬼)というのがギャップネタなんです、とはZUN氏の談。<ref>Taken from errata. In the original printing this caption was a description of Yukari.</ref>
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| ja  =化猫に憑依した式神で、主に妖術を扱う程度の能力を持つ。人里離れた山の奥、マヨヒガにて霊夢らと遭遇する。また、橙の主人も式神である。<ref>Taken from errata. In the original printing this mistakenly had a description of Letty.</ref>
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| ja  =本作のサブタイトルは『東方文花帖』となっており、同名作品の続編的扱いとなっている。主人公の射命丸文を操り、『風神録』以降に登場したキャラク
ターの弾幕の写真を撮影していくことになる本作。しかし、そんな文の前にライバル誌「花果子念報」の記者である姫海棠はたてが現れて……。<br />条件を満たせば、はたてを自機として使用することもできる。<ref>Taken from errata. In the original printing this mistakenly contained a copy of Hisoutensoku's description</ref>
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| ja  =念写<ref>Taken from errata. Originally misprinted as 年社.</ref>をする程度の能力を持った鴉天狗で、新聞「花果子念報」を発行している。古風なカメラを使う文とは対象的[sic]に、ケータイを持つ姿が印象的。
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| en  =
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== Notes ==
== Notes ==
<references/>
<references/>
== External links ==
*[https://web.archive.org/web/20111127145011/http://www2.ichijinsha.co.jp:80/febri/ Errata]


[[Category:Interviews and Statements]]
[[Category:Interviews and Statements]]

Latest revision as of 04:38, 17 December 2020

同人ソフトサークル探訪・超拡大版
上海アリス幻樂団特集!
ゼロからわかる
東方Project解説付き!

A description of Toho Project, which understood even the first person.

東方Projectを世に送り続けるサークル、上海アリス幻樂団。
イベントなどえ手伝ってくれる人は多数いるものの、
基本的にZUN氏一人によるサークルである。
今回は上海アリス幻樂団特集と言いつつも、
主にその制作する同人ソフトについてフィーチャーしてインタビューした。

なお、上記のようにゼロからわかると銘打っているように
過去作品の超基本的な紹介記事もあるので、
上級者の方々はインタビューをご堪能いただきたい。


2本目のZUNインタビュー
文化の目指すべき場所は食にあり

The place which culture should aim at is in food.

歴代東方作品を振り返りながら、創作についての姿勢や目標などを聞いてみた。
初めての人でもわかる作品解説とともにどうぞ。

いわゆる初期三部作について

――

『紅魔郷』『妖々夢』『永夜抄』はシステム的にひとくくりだったと思うんですが、あのときと居間で決定的に違うこととしては、その3作は事件とか異変がストーリーのメインだったということじゃないかと思うんです。そういう変化は意識されましたか?

ZUN

要は事件があって解決するのがストーリー的に楽なんです。でも今は事件があると登場人物が多くなりすぎているので、事件が起こったとしても何で霊夢と魔理沙の主人公コンビだけが動くのかっていうことになって、やりにくくなってしまった。そうするともっと微妙な事件じゃないといけない。そうするともっと微妙な事件じゃないといけない。微妙なというよりも、霊夢ほか数名の限定的なキャラクターしかわからないような、他の人には迷惑をかけないようなことが起こったという設定になるんですね。

――

『花映塚』までは事件が発生したらそれを解決っていうのがメインの流れ感じ[sic]でしたよね。『神霊廟』の事件は、起こってはいるんですがあんまり切実さがないというか。

ZUN

『神霊廟』だけでなく、『星蓮船』だったら宝船が来たから見に行こうっていう話ですし、『地霊殿』だったら温泉が湧いたから行こうっていう話ですよ?

――

事件かもしれませんけど、異変ではない気が……特に後半。

ZUN

でも『風神録』では新しくやってきた神社からの宣戦布告でしたから、割と大きいですけどね。

――

そういう事情があったんですね。

ZUN

まぁ大きな事件タイプのお話がこれからないというわけではないんですけど、でも今それをやるとストーリーはいたってシンプルになりますね。

――

『紅魔郷』を作ったころは仕事を終えて帰宅してから制作していらっしゃっていましたが、やはり今と比べて大変でしたか?

ZUN

大変でしたけど、今と変わっている感じはそんなにしないです。来年で『紅魔郷』からもう10年。6作目から10年ですよ。どんだけ作ったんだって話ですよね。

――

『紅魔郷』が出てから割とすぐに東方の同人誌が出ましたが、そういう反応があることを予想されていましたか?

ZUN

今と状況が違うからなんとも言えないけれど、でも当時の作る楽しみといったらユーザーにビックリしてもらう、楽しんでもらうっていうのがメインになるじゃないですか。

――

タイトルが「東方」なのにステージを進めて言ったら[sic]ボスが洋風でした、みたいな?

ZUN

それもありますし、例えばあら削りではあるけれど、同人なのにちゃんと作られているっていうこととか、いろいろ含めてね。そういうビックリさせたいなっていう気持ちから始まって、これだけ長く続いてくると、今は遊んでくれている人に対して喜んでもらうことを考えるんだけど、それは知ってる人が増えたから考え方が多少変わっただけであって、内容そのものは一緒かなと思いますね。だれも東方のことを知らない素の状態でびっくりさせるのと、今とでは違う。違うけど、やることは一緒なんです。

――

『妖々夢』のときは既に大行列ができていたかと思いますがいかがですか?

ZUN

『妖々夢』のときはまた考え方が変わりましたね。『紅魔郷』を遊んだ人を喜ばせようという気持ちだったわけです。それは僕としては良いことだと思っているし、そうなったから作品がつまらなくなるということはないと思うんです。むしろ、どんどんと自分が作って楽しい方向に変わっていきましたね。

――

そもそも、ゲーム会社に所属していながら会社的にはシューティングを作らない状況にあったけど、自分としては作りたいから始まったというか、再開されたんですよね。

ZUN

もちろんシューティングを作りたかったから作りましたが、遊ぶ人が楽しんでくれなかったら始まらないですよね。

――

それはある種同人というよりもプロフェッショナルな考えだと思うんですが。

ZUN

うーん、でも僕としてはプロっていう言葉は嫌いなんです。

――

どういうことですか?

ZUN

プロっていうと、機械的にやっているイメージがあって。要は技術力が高くていいものを作るっていうイメージがあるんですけど、それは僕の中では凄く嫌いな……嫌いなというか、自分がそうだったらいやだなと思うんです。

――

完成しきって、成長が無さそう、みたいな?

ZUN

いいものは生み出されるでしょうけどね。でもなんか道具っぽいんです。

――

先程までの話にあった、ZUNさんが大事にしている驚きを与えるということは遠いイメージかもしれませんね。

ZUN

今に合った言い方として僕は同人という言い方をするけど、同人という言葉の意味が人によって違いすぎるんですよね。

――

うーん、確かに同人と言われても「?」というところも多いとは思うんですが。

ZUN

他にいい言葉がないですからね。けど、言葉を充てちゃうとそこで固まってしまう。まだ生きているモノなので、生きている間は言葉がないほうがいいのかなって思います。鵺的な感じでね。

――

鵺は非対称なデザインなのがいいですよね。

ZUN

今思い出すと、鵺は相当悩んだキャラですね。もともとのイメージがいろいろとありすぎて、一応キメラ的な感じにはしたんだけど、どこまでどうするのかななかなか決まらなくてね。物凄く正体不明じゃないといけないわけですよ。これが獣っぽかったら正体不明といいつつも獣ということになってしまう。たとえば尻尾が蛇で体が虎で、翼が生えていても虎っぽく見える、これだと正体不明じゃない。だからそれ以上に、もっと正体不明じゃないといけない。一言で「何の生き物だ」って言われてしまったらいけない。「これ鵺でしょ」と言われてもいけない。鵺のイメージはもとからあるので、そういうことを考えていくとどこまでおかしくしないといけないのかっていうことになっていきましたね。そういう意味では、まさしく正体不明というか、『ウィザードリィ』に出てくるunknownのイメージだったんですよ。まだ識別されていない敵というか、霧につつまれてモヤモヤしたような姿のイメージも候補に考えていたんです。でもそれを描いてみたら、2次創作で使いにくそうだなとか考えちゃって(笑)。雲山と被るし。

――

制作時に一応そこまで念頭に置いているんですね。

ZUN

今考えると苦労しましたね。苦労したからと言ってお気に入りにというわけではないんですが、もう何だよあのキャラクター(笑)。

誰に向けて作るのか

――

話は戻りますが、確かにいつも驚かせようと腐心していますよね。

ZUN

今のほうが驚かせるのは楽かもしれません。

――

プレイヤー側に共通の知識や文脈ができたからですね。でも『永夜抄』の4面は相当びっくりしましたよ。

ZUN

あれは旧作の流れをそのままなぞっているだけではあるんですけどね。そういう意味では、旧作の頃からやっていることは変わらないですね。

――

たぶん旧作の話になってしまうと9割5分くらいの人が分かりません(笑)。最初がブロック崩しみたいなゲームだったことは、今思えば驚きですが。

ZUN

まあジャンルは関係ないですよ(笑)。あとはボスがプレイヤーキャラクターになっていくのもパターンでしょうね。

――

ゲームに限らない王道パターンですね。でも、ほかのシューティングはあまりそういうことをしないような。

ZUN

まずシューティングゲームはあまりシリーズにしませんからね。シリーズにして出す場合でも、システムだけ一緒で中身は全部違うものだったりする。

――

でも、例えば『グラディウス』でビッグコアで自キャラになったりは……しませんよね。

ZUN

あるいは『Ⅱ』のゴーファーとかね。オプションが全部ゴーファーになっちゃう(笑)。

――

まぁゲームには、プレイヤーには目的が必要じゃないですか。もちろん東方で起こる幻想郷の異変っていうのも霊夢が解決しないといけなかったんですけど、最近の霊夢はとりあえず目の前の妖怪を叩きのめす!みたいな感じですよね。

ZUN

それは、ゲームとしての主人公の目的=ユーザーの目的ではないからです。ユーザーの目的さえはっきりしていれば、主人公の目的っていうのは変わってきても良いと考えています。

――

いつも世界を救わないといけないRPGの苦しみみたいな。

ZUN

でもRPGなんて最初から目的は一致してなくて、主人公は巻き込まれて適当に行ってるけど、ユーザーはとりあえずクリアしようっていう感じになる。

――

それを言ってしまうとだいたい全部一緒じゃないですか?

ZUN

いやいや、昔のゲームにはクリアがなかったですよ。

――

うーん、『いっき』とか。

ZUN

『いっき』だったかどうかは忘れたけど、途中までクリアするたびにパスワードが出てきて、それを何周かすると抽選で何かもらえる、みたいな設定だった気がするよ。でもよく一揆をテーマにゲームを作ろうとしましたよね。今作ろうと思ったら絶対リアルな感じに作るしかないから、作れそうにない。

――

すごく高解像度でリアルな農民一揆が……。

ZUN

でも、テーマ的に一揆みたいなものは色々なゲームがやっているでしょうね。

――

支配者に対する抵抗的な感じですか。

ZUN

そういうゲームは多いと思います。やるんだったらその支配者が散々ひどいことをしているっていうのをわかりやすくデモで見せる。そういう世の中の出来事がゲームを作るうえで重要になってきたりしますから、それらと無関係に話を考えることはやっぱりできないですよ。今の人間がどう考えているかっていうことは、どういう設定にしたらプレイヤーが楽しめるかっていうことにつながってくるので。もちろん多少はボカしてやっていくわけですけど、みんながこう思っているなっていうときにはそれに乗せたゲームを作ったほうが売れるというか受け入れられやすいですよね。

――

ゲームで憂さ晴らしというのも、ある意味正しいんですが少し寂しくないですか。

ZUN

でも人間ってそんなものです。反社会的なことをやるようなイメージで、自分の思想をつらぬくためにゲームをしますっていうことじゃないから。ゲームをするっていうのは、その時点では暇つぶしだったり鬱憤晴らしだったり、人によっては生活を潤すっていうこともあるかもしれない。でもほとんどの場合はひまつぶしなんですよね。つまらないところを埋めるだけ。基本的にはそういうことだと思います。

――

社会的にそういうポジションの存在、とされているからかもしれません。

ZUN

先人の漫画でさえまだまだそうですからね。漫画が今よりも電車の中で読んでいて不審に思われないようになったら、もう少し違ってくるかもしれません。

システムとプレイヤー

――

『永夜抄』から先はシステム的にも内容的にも仕切りなおしがあったと思いますが、『花映塚』や『文花帖』のような、バラエティ感の強い作品が出たのも多くの人が遊んでくれたから、ということですか?

ZUN

そうですね。昔からああいうものを作りたいと思っていたわけではないです。

――

でも『ティンクルスタウー』[sic]はお好きですよね。

ZUN

『ティンクルスター』はほかの会社が同じようなものを出しませんからね。個人的には色々なバリエーションが見たかったし、一つのジャンルとして発展して欲しかった。もちろん対戦シューティングって他にも色々あるんだけど、そういうジャンルとして発展するともう少し色々なバリエーションがあったのかなっていう感じはしますね。多くの人がそれに挑戦したけど、なかなかうまくいかなかったのかもしれません。

――

結果的にはそうですね。

ZUN

最初に対戦シューティングって言われたらお互いが弾を打ち合う形を想像するじゃないですか。そういうところから、もうあんまりうまくいってないんですよ。定着しないで色モノで終わってしまう。

――

『バーチャロン』……は違いますよね。

ZUN

あれは3D格ゲーだと思います。というか普通にFPSの対戦みたいなものですよね。でもFPSって基本的にはシューティングのジャンルに割り振られていたんです。シューティング新作と聞いてFPSだったときのガッカリを味わったシューティング好きは多いんじゃないかな。まあ、どこまでシューティングかっていう論議は置いておいていいんですけど、今はシューティングをやること自体がちょっともう……。

――

そう言いながら『風神録』からはシステムも組みなおして、満を持しての再出発したわけですよね。先ほどまで話したように異変の解決とは別の話の展開で、かつ古代史の再解釈にも踏み込もうとしている。

ZUN

それはあんまり重要じゃないんです。僕が単純に好きだからそうなっているわけであって。

――

前よりも自分が好きなことを盛り込めるようになった、というわけではないんですか?

ZUN

ん~、昔だったら単純に1個ゲームを作りましょうっていう感じだったんですけど、今だと今存在している世界を膨らませるように意識して作るわけですよ。例えば今までにいるキャラクターだけで色々できます、みたいなこともできるけど、そうじゃなくてどんどん広がっていくようにしていかないといけない。自分としてもそれは楽しいし、ユーザーとしてもそれがいいだろうと考えています。

――

でも、『風神録』1面に最初に触れたときは、いかにも東方をやっている、という気分はありました。

ZUN

その辺りは僕にはわからないけどね。ただ東方に関して言えば、東方のどのジャンルをやっても同じようなつくりになっているはずなので、いかにも東方をやっているっていう感じにはなると思いますけど。それこそ最近のシューティングゲームが成し得なかった新規ユーザーをつかむっていうことと繋がっていると思います。

※P78に続く

――

プレイヤーには3~4周年のサイクルがあって、それは学生のサイクルと重なってる、というような話を聞いたことがあります。

ZUN

だいたい4周年くらいですね。現時点でもその節目ですよ。ちょうど『風神録』から回って次の世界に行くだろうと。

――

しかし、もう一個神社がくるって大事件ですよね。

ZUN

それまでは神社といったら博霊神社、山といえば妖精の森という感じで、場所と存在が一対一だったわけです。今の状態だと、神社と言ってもどこだからわからない可能性はありますね。

――

システム面でいうと、『神霊廟』はスペルプラクティスやオーバードライブなど、これまでのさまざまな要素が盛りだくさんな感じがしました。

ZUN

『神霊廟』は新しい風を入れるイメージだったんですけどね。

――

私の中では総決算的な印象でした。1面は知っている人は知っているけど、っていうキャラじゃないですか。

ZUN

そういうのを出すのには色々と理由はありますよ。『妖々夢』を知らない人が、もしそこで興味を持ってもさかのぼれますしね。まああとは、あんまり緊張感があるのはいやだなって思います。緊張があるほうが盛り上がるかもしれないですけど。

――

あのマミゾウの緊張感のなさときたら。

ZUN

ないね~。倒さなきゃ世界が滅んじゃう、みたいなほうが緊張感はあると思うんですよ。でもそういうことしたくないんだと思います。

――

でも弾幕には緊張感がありますよね。

ZUN

難しいよね。あれは意外と苦労しているボスなんですよ。いっぱい鳥とか狐とかの形の球が出てくるので、それだけで面倒くさいというか。こういうキャラを作ると決めた時点でそうなっちゃうのはわかったんだけど、もう本当に凄い面倒くさくてさ。でもリアルに絵で描くわけではないですから。あれは1ドットパターンで。で、それを4パターンでアニメーションっぽく見せるところをやるだけなんですが……意外と面倒くさいんですよ。普通のゲームだったらそういうことはたいした作家じゃないかもしれないんですけど、僕はそういう作業にあまりチアⓚらを入れないようにしたいので、普段やらないんです。そこに力を入れていると本末転倒になる。

『地霊殿』と『星蓮船』

――

『地霊殿』も話的には重大さがあまり無いような……?

ZUN

あれは人間が重大だということに気づかなかったから、他のヤツらが人間をつっついて重大さに気づかせないといけなかった。それでパートナー制になったわけです。パートナー制をつくりたかったためのストーリーといっても過言ではないんですけど。まあ『永夜抄』と同じパターンですね。

――

でもパートナーを変えられるところが新しかったです。

ZUN

まぁ人間のほうが圧倒的に少なかったし、数をふやしたかったらパートナーを変えたほうが面白いと思って。あれだけでもパターン作れますから。

――

今回掲載の漫画とも関連するんですが、萃香は普段どこにいるんですか?

ZUN

どこにいるんだろうね。これから先そういう話を作っていくつもりはないんだけど、設定的にはぼやっとは考えているわけです。あれこそ神出鬼没なんですが、神出鬼没ってどういう意味なんですかね? 言葉的に不思議な感じじゃないですかまぁ[sic]そういうのはネタにとっておくから良いんですよ(笑)。

――

そういうことを面白いと思ってネタにできるかどうかが大切なことだったりするんですね。

ZUN

鬼って昔「もの」と読んだんですよね。もののけの「もの」と一緒だと思うんですけど。今の人ともつながっていくっていうのが面白い。……とか、そいう[sic]ネタがあちこちに転がってるからそういう細かいことは考えようと思えばいくらでも思いつくんですよ。大きいネタになるともう少し考えないといけないなってなるんですけど。

――

『地霊殿』では忌み嫌われたものがテーマ?

ZUN

嫌われ者というか、嫌われ者の中で、どういうものが嫌われ者になるかっていうことを考えてそういう妖怪だけを出しました。

――

難易度も高い方ですよね。そこは意識して?

ZUN

そういう意味でも嫌われ者っていうイメージがありますよね。まぁでも易しすぎるのもどうかとは思いますが、ちょっと難しかったかなとは思ってはいます。

――

『星蓮船』は打って変わってさわやかな感じでした。

ZUN

そうですね。大分アクのないキャラクターが出てくる。おたがい仲良さそうだしね。でも、それを『神霊廟』でちょっと壊すわけです。壊すというか、実は命蓮寺がその場所に建った理由がある。そういう、実は裏があったという話を入れていくんですよ。

――

去年『星蓮船』が出ましたけど、その年の「ゆく年くる年」で信貴山の朝護孫子寺が映ったときはニヤリとさせられました。

ZUN

まあ虎という点は狙っていますよ。寅歳[sic]から寅丸星を出して。話的にもぴったりですし。でもあそこはちょっとマニアックな感じなんですよね。そのぶん『風神録』はダイレクトでしたよ、名前がまんま諏訪子でしたからね。本当にそのまんま。でもああいう風にダイレクトにしたほうがいいんです。そこから発展させる場合もそっちのほうが良い。

――

洩矢という名字も音的にはダイレクトですし。

ZUN

山に入ったら河童とか天狗とかが出てくるのって、オーソドックスな感じがしてわかりやすいじゃないですか。

――

むしろ序盤のほうがわかりにくくないですか。

ZUN

序盤はストーリーにあんまり関係してこないですからね。一応神様が出てくるっていうイメージを伝えるために出しているくらいですし。

――

『星蓮船』で幻想郷に仏教が持ち込まれたことは大きな変化だと思うのですが。

ZUN

仏教はなかったからね。いや、あったのかもしれないけど。

アイディアについて

――

『文花帖』は特に変わった作品だと思うのですが、誕生の経緯は?

ZUN

文花帖はファンサービスなんで。

――

書籍版『文花帖』の制作が始まる前から、作ることは決まっていたんでしたっけ?

ZUN

最初から今のタイトルではなかったけど、企画自体はありました。あのシステム自体は、実は『妖々夢』の後に作るつもりだったんです。作ってしまえば、後々にすごく使えますから。シューティングゲームの弾幕に対して何をするかっていう流れが僕の中にはあって、例えば『紅魔郷』のときはスペルカードシステムを導入して、つまり名前をつけた。そうしたら次はどうなるかっていうと、今度は美しさがメインになってくるな、とか考えるわけです。で、本当は『妖々夢』のときにやろうと思ったんだけど、技術的な問題やストーリーの問題、それに、そもそもそのシステムが面白いかどうかっていう問題が凄く大きかったので、その時点での導入は見送られたんです。『妖々夢』に組み込まなかったのは、今となっては正解だったと思うんですけどね。そういう変わったものを出すことによって、作品的に行き詰って続きが作れなくなってしまう。作品のコアとなる部分は同じままにしつつ、僕としては変わらない面白さを次の作品出していく[sic]。さっきはちょっと否定的に言ったけど、職人っぽい形になっているわけなんですが、それは正解だったんだろうなって。

――

そんな経緯があったんですね。

ZUN

2作目として発表する作品にアイディア重視のものを出してしまうと、この人はアイディアで作品を作る人なんだっていう認識が広がってしまうと思うんですよ。でも、そういう認識で固まってしまったら僕としてはつらい。奇抜なアイディアが悪いというわけではないんだけど、アイディアの人間というのは僕としては技術のなさをごまかしている様なイメージがあるからです。アイディアがない人間なんて居ない。むしろアイディアがあって当然だし、どんな作品にもアイディアはある。そういう意味で、アイディアが作品の売りの部分になったらいけないんです。

――

そういう風に自分にも厳しく課しているわけですね。

ZUN

まあ完璧主義者ではない。いい加減な人間の言うことですけどね。

ゲームは文化?

――

よく言えば揺らぎ、みたいな? 音楽でも少しは揺らぎの部分がないと気持ち悪いとか。

ZUN

音楽は特に多いんですけど、これを入れたら駄目とか、これは入れたほうが良いとか理論的に言う人って、音楽のことをよくわかっていないんだろうなって思て[sic]しまう。

――

また敵を増やすようなことを(苦笑)。

ZUN

わかっていない人が理解するために言うことだと思うんですよ。そうすることで本人的にはいいと思ったものをなぜ良いのかって理解するんだと思うんだけど、そんなに明確に良いものとか悪いものなんてないわけです。それは当たり前の話で、例えばこれがあったら良いゲーム、というものがあるんだったら知りたいですよ。

――

確かに。

ZUN

ゲームに限らず他もそうじゃないですか。ゲームはまだ、ユーザーが遊んでわかりやすいところがあるのかもしれないけど、音楽は数が多いし多様すぎてわからない。みんなでこれが良いって言っているものが、果たして本当に良いものか疑問に思うところもあるし。権威のある人間が良いって言ったら、そこで初めてなぜそれが良いのかを研究するくらいなんじゃないですかね。もちろん、論理的に音楽の話をしてそういう曲を作るためにするから。そういう人たちばっかりになったら物はつくれなくなってしまう。明確な基準を作って、これに合っていたら良いもの、これに合っていなかったら悪いものってなってしまったら、それは文化の終焉です。評価するための基準を人間は作りましたっていう感じになってきて。そういう文化はいっぱい見ていますよね。例えば絵画の世界なんて、素人には何故良いのか悪いのか全く分からないじゃないですか。あれは良いっていわれているものを見ても、普通のイラストレーターが描いているものとでは、良し悪しの区別がつかない。絵画は身近な例ですけど、わからなくなった文化や文明はみんなそうだと思う。いわゆる伝統芸能とか。あの手のものを理解するためには、入っていけばわかるっていう感じはしないですよね。行って凄い!って感動していたら馬鹿にされるんじゃないかとすら思ってしまいます。そうなったら伝統文化として細々と残していくだけであって。それが出来る職人がこれだけ居るんですよっていのをありがたがったりしているけど、別になくてもそれほど問題はない。でもああいう伝統文芸がテレビとかではよくもてはやされるじゃないですか。そうすると、物を褒めるっていうことの難易度が上がってしまうんですよね。

――

この機に何か伝統芸能に踏み入れてみますか?

ZUN

わかるために努力するっていうのも何か違うと思うんですよね。そういう文化は難しいというか奥深いものだと思うけど、奥深いだけではなにも進まない。でも奥の深さとわかりやすさを備えている文化もあるんです。僕はそれがお酒だと思うんです。お酒はワインのようにソムリエがいて、素人が評価しても鼻で笑えるような文化もある一方で、皆が飲んでおいしいと思えるものもある。ソムリエしかわからないものがあっても飲んでみたら、「あ、そうかも」と思えますしね。酒に限らず食の文化は古今東西変わらないと思います。

――

なんだか怪しい締めくくりになってきましたが(笑)。

ZUN

だからゲームも、どうやったら楽しんだらいいかなんてことを考えなくても楽しめるような物を目指したい。若い人が、子供が遊んでも楽しいというようなものから始めていきたいですね。それは僕が作れるかといったらそうじゃないかもしれないですよ。ただ僕は歴史がどうこうとか文化がどうこうとかいう要素を入れているかもしれないけど、なくても楽しめるわけですよ。導入としてはあれくらい入れたほうが楽しい。新しい世界に入っていける。例えばシューティングに限って言えば、いろんなシューティングをプレイしてきてそこで初めて楽しめるようなものを作ったらダメなんですよ。

――

なるほど。

ZUN

純粋に楽しさが備わったものを作るのがゲームの使命だと思います。RPGだと、ゲームシステム的にはその純粋な楽しさを出せるようなゲームになる気がしない。でもシューティングには出せると思うんですよね。シューターさえ意固地にならなければ。

――

現状では、普通の人にはわからない「シューティング文化」になってしまっていると。

ZUN

シューターがシューティングを評価するっていうことになると、そうなっちゃうわけです。

――

むしろZUNさんがその狭くなったシューティングの間口を広くしている気がしますが。

ZUN

僕はそういうことをやりたいわけではないので、それだと困るんです。僕はシューターには迎合しないようにしたいんです。なぜなら僕自身がシューターですから、その性格も良くわかる。目標としては、シューティングをお酒くらいの文化にもっていきたい。お酒は文化だし、それはもう全世界でもっとも古くからある文化ですよ。それを楽しむ術や評価する術、作り方を研究する術がある。どうしたら新しいものが作れるかという文化もあれば、どうしたら美味しくなるかという文化もありますし。それってつまり色々な文化の目的地なんじゃないかと思うんです。そこがあまりにも基本的過ぎて気づかないかもしれない。けど、アニメとか漫画とか小説もゲームも、全部目的は人間を喜ばせることだし、それを今出来ているのってお酒とか食しかない。要は本能に訴えるわけです。


()()()()()()()

Q

どんなゲーム?

A

弾幕と呼ばれるような大量の敵弾を避けるタイプの、縦スクロールシューティングゲーム。

Q

どんな世界なの?

A

幻想郷という箱庭世界でのお話。日本のどこか山奥にある、結界で閉ざされた地域、幻想郷。そこでは、結界の外の世界でちからが弱まったり、その存在が幻想として扱われてしまうものが逆に大きな力を持ち、古い昔のように妖怪が人間を襲い、人間はそれに怯えつつ生活している。わずかばかりいる、ちからを持った人間が妖怪を懲らしめている。とはいえ、妖怪も人間も基本的には暢気にまったりと暮らしている。

Q

お話の主人公は?

A

幻想郷の端にある博霊神社の巫女、博麗霊夢とその友人で魔法使いの霧雨魔理沙が妖怪を退治する人間として主人公役を務めることが多い。

Q

ゲームの目的は?

A

妖怪がいたずらして廻ったり、封印された何かが復活したりといった時に怪現象が発生するのを、周囲の迷惑にならないように懲らしめるのが目的(※多分)。妖怪退治がお仕事の霊夢と、好奇心旺盛な魔理沙が謎を調べるうちに元凶を懲らしめちゃう、といった流れが多い。

Q

どうやって遊ぶの?

A

Windows用のソフトなので、パソコンにインストールして遊ぶ。キーボードでも操作はできるし、市販のゲームプレイ用コントローラーにも対応。

Q

どこで買えるの?

A

同人ソフトなので、普通のゲームショップでは売っていない。とらのあな等の同人ソフト取り扱い店や通販を覗いてみて、在庫があれば買える。


()()()()()()()()

(editorial note: ommitted to avoid cumbersome lines)


()()()()() 二〇〇二

東方だけど西洋風

幻想郷を包み込んだ霧の謎を確かめるため、霊夢か魔理沙のどちらかを使って異変を解決する、というストーリー。敵の弾幕攻撃に名前を付けた「スペルカードシステム」を導入。Windows用として最初に出た東方Projectのゲームで、その完成度の高さから当時の同人ゲームソフトプレイヤー/開発者たちをうならせた。

ルーミア

闇を使う程度の能力を持った妖怪。能力からすると強そうだが、特にそうではないただの1面ボス。そのギャップが愛らしいとも言える。

チルノ

冷気を操る程度の能力を持った氷の妖精。湖に住んでいて、通りかかった主人公にとりあえず倒される。威勢がいいのとおバカなのが取り柄。

紅 美鈴
(ほん・めいりん)

気をつかう程度の能力を持った妖怪。霧の湖のほとりに立つ[sic]洋館、紅魔館の門番を務めている。敵意のあるものしか攻撃せず、人間くさい性格。

パチュリー・ノーレッジ

魔法を使う程度の能力を持った魔法使い。紅魔館の中にある図書館に住んでいる。喘息のためあまり長い呪文を詠唱できない。レミリアの友人。

十六夜 咲夜
(いざよい・さくや)

時間を操る程度の能力を持った人間で、紅魔館のメイド長を務めている。非常に有能なので主人からの信頼も厚い。得意技はナイフ投げと手品。

レミリア・スカーレット

赤い悪魔と恐れられる吸血で[sic]、鬼運命[sic]を操る程度の能力を持つ紅魔館の主人。幻想郷を包んだ霧は彼女が日の光を遮るために出していたものだった。

「東方」とタイトルについている作品なのに、ラスボスが西洋風(吸血鬼)というのがギャップネタなんです、とはZUN氏の談。[1]

フランドール・スカーレット

レミリアの妹で、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力を持つ吸血鬼。危険すぎるので紅魔館の地下に幽閉されていたが、霊夢たちと出会う。

Check!
「スペルカード」とは

東方Projectの作品は、この『紅魔郷』以前にも5作品あるものの、本作以前と以降では明確に別物として分けられている。そのひとつの区分となるのがこの「スペルカードシステム」の導入だろう。ボスの攻撃パターンが体力低下に伴って何段階か変化するのはシューティングにままあるが、それぞれの攻撃に名前を与えることでけれんみを加えているのだ。

()()()()() 二〇〇三

奪われた春を取り戻せ

『紅魔郷』で霧の異変があった翌年、普段であれば花見になろうという時期になっても桜は咲かず、それどころか5月になっても新芽すら出てこず、雪が降り続けた。霊夢たちはごくわずかな春の気配をたどり、犯人を突き止めに向かう。その行先が此岸でないとも知らず……。本作では前作に登場した十六夜咲夜を自機として選択可能。

レティ・ホワイトロック

寒気を操る程度の能力を持つ妖怪。冬になると何処からともなく表れる[sic]。いつまでも冬が終わらないのは嬉しいので、主人公たちに手を出してきた。


(ちぇん)

化猫に憑依した式神で、主に妖術を扱う程度の能力を持つ。人里離れた山の奥、マヨヒガにて霊夢らと遭遇する。また、橙の主人も式神である。[2]

アリス・マーガトロイド

普通の魔法使い。人形を操る程度の能力を持つ。さまざまな魔法を使いこなす万能タイプだが、あまり全力で戦うことは無い。霊夢らとは旧知の仲。

プリズムリバー三姉妹

いわゆるポルターガイストの3姉妹で、手を使わずに楽器を演奏する程度の能力を持つ。お花見を盛り上げる目的で冥界の西行寺家から呼ばれた。

魂魄 妖夢
(こんぱく・ようむ)

西行寺家専属の庭師兼お嬢様の警護役。主人の命令により、庭にある咲かない桜「西行妖」を咲かせるために、幻想郷中から春をかき集めた。

西行寺 幽々子
(さいぎょうじ・ゆゆこ)

死を操る程度の能力を持った、亡霊のお嬢様。西行妖を咲かせるべく妖夢に銘じて[sic]春を集めさせた。しかし、西行妖には咲かない理由があり……。

八雲 藍
(やくも・らん)

八雲紫の式神で、藍自身も式神を使う程度の能力を持つ。九尾のキツネに憑依しているため実力も折り紙つきだが主な仕事は主人の世話である。

八雲 紫
(やくも・ゆかり)

幽々子の古い知り合いで、境界を操る程度の能力を持つ。薄くなってしまったこの世とあの世の境界の修復を頼まれたものの、あまりやる気は無さげ。

ゲームとは直接関係のない所で、幻想郷のいろいろな部分に深く関わっていると思われる紫。いい加減と底の知れなさが表裏一体のキャラクターだ。

システム/世界観の拡張

本作からはスターシステム的に前作『紅魔郷』の5面ボス、十六夜咲夜が自機として登場している。また、ゲームシステムそのものにも改良が加えられており、よりプレイしやすくなるほか、パーアップシステム[sic]、得点アイテム以外の第3のアイテムも登場し始める。世界観を広げながら、システムに手を入れながら、常に進化し続けていくのも東方Projectの特徴だろう。

()()()()() 二〇〇四

隠された満月の秘密

それはある夏の終わり、中秋の名月も近いころ、人間たちにはなんということのない平和な夜だったが、妖怪たちは困っていた。いつのまにか、何者かの手によって幻想郷の夜から満月が無くなってしまったからだ。困った妖怪はのんきな人間をせきたて、満月の捜索および奪還を手伝わせることにした。今晩中に取り戻さなければ――。

リグル・ナイトバグ

蟲を操る程度の能力を持った妖怪。夜の幻想郷で月を奪った犯人の捜索中、通りすがりに邪魔してくるので倒されるという、お約束の1面ボス。

ミスティア・ローレライ

歌で人を惑わす程度の能力を持った、夜雀。夜しか現われないうえに、人間は鳥目にされてしまうので、なかなか彼女の姿を見た者はいない。

上白沢 慧音
(かみしらさわ・けいね)

人間の里で寺子屋を開いている妖怪。普段は人間だが、満月の夜には白沢に変身する。今回の異変を見て、人間を守るために里を封鎖した。

白沢の姿になった慧音。慧音には歴史を食べる程度の能力と、歴史を作る程度の能力があるが、白沢時の力は後者のものだ。Exステージで会う。

博麗 霊夢
(はくれい・れいむ)

とあるキャラクターを自機に選んだ場合、4面でボスとして立ちはだかってくる。もちろんその強さはプレイヤーならよく知っているはずである。

霧雨 魔理沙
(きりさめ・まりさ)

とあるキャラクターを自機に選んだ場合、4面のボスとして登場。魔理沙らしく派手な攻撃を多用し、やっかいな相手としてプレイヤーのゆく手を阻む。

因幡 てゐ
(いなば・てい)

迷いの竹林に住む妖怪兎。人間を幸運にする程度の能力を持つ。今回の異変を起こした真犯人よりも以前から竹林に住んでいる、古株の妖怪である。

鈴仙・U・イナバ
(れいせん・うどんげいん・いなば)

狂気を操る程度の能力を持った、月の兎。竹林にあるお屋敷、永遠亭に住む輝夜のペット的存在。地上人が月に来たときに逃げ出し、幻想郷へ来た。

八意 永琳
(やごころ・えいりん)

あらゆる薬を作る程度の能力を持った月の民で、小海の実行犯。輝夜の教育係だったが、紆余曲折を経て輝夜とともに地上に隠れ住むこととなった。

蓬莱山 輝夜
(ほうらいさん・かぐや)

永遠と須臾を操る程度の能力を持った月の姫。とある罪により地上に落とされ、長らく逃亡生活を送る。月の使者を騙すために今回の計画を指揮した。

藤原 妹紅
(ふじわらの・もこう)

蓬莱の薬を飲んだことで、老いる事も死ぬ事もなくなった不死人。同じく不死人の輝夜とは犬猿の仲で、隙あらば始末しようとお互いを狙っている。

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プレイヤー選択も選り取り見取り

ストーリー上妖怪と人間のタッグが自機となる本作。霊夢と紫、魔理沙とアリス、咲夜とレミリア、妖夢と幽々子の4組で、条件を満たせば単独プレイも。

()()()()() 二〇〇四

弾幕格闘ゲーム開幕!

博霊神社で何故か3日おきに宴会が開かれ、そのたびに怪しい霧が発生。自分たちがいつも宴会を開いていることに疑問を持ち始めた霊夢たちは、各々調査に乗り出すの立った[sic]。同人ソフト制作サークル・黄昏フロンティアとの共同開発で誕生した本作。ZUN氏は、主にストーリー執筆や細部の名称設定、曲の提供や監修を担当。

伊吹 萃香
(いぶき・すいか)

密と疎を操る程度の能力を持った鬼。幽々子たちが春を集めたせいで花見もとい宴会が少なかったことを不憫に思い、人々を集めて花見を催させた。

()()()()() 二〇〇五

対戦弾幕シューティング

冬が終わり、幻想郷にも春が訪れた。春になれば花も咲く。だが、一年中全ての花が一斉に咲きだしたとしたら、それはもう異変だ。しかしこの異変、実は60年に一度の周期で起こる異変として長い時間を生きる妖怪たちには知られていたのだった。
本作はシューティングゲームには珍しく相手と対戦するタイプの内容。

小野塚 小町
(おのづか・こまち)

四季映姫・ヤマザナドゥ
(しき・えいき)

対戦は画面の左右に分かれ、現れる敵を倒したりスペルカードを発動させたりすることで弾を相手のフィールドに送り込むスタイル。

()()()()() 二〇〇五

[3]

『花映塚』にて初登場した射命丸文を主人公としたゲーム。弾を撃って敵を倒すのではなく敵の弾幕を規定枚数写真機で撮影することが目的という、一風変わった内容になっている。なお、ZUN氏が著した同名の書籍もあるが内容自体に共通性は無く、射命丸文をコンセプトの中心に据えた書籍とゲームという位置づけになっている。

射命丸 文
(しゃめいまる・あや)

風を操る程度の能力を持つ鴉天狗。天狗たちはうわさ好きで新聞を発行しているものが多く、彼女もその新聞の記事のために写真を撮るのだ。

()()()()() 二〇〇七

幻想郷に新しい神社が?

ある年の秋、博麗神社を訪れた一人の人間が霊夢に神社の営業を停止し、潰すか山の上にいる神様に譲渡するようにと言い放った。確かに人々からの信仰心はすっかり薄れている博麗神社だが、幻想郷には無くてはならないもの。悩みながらも霊夢は山の上を目指し……。これまでのシステムを見直し、新たなスタートとなった一作。

秋 静葉
(あき・しずは)

紅葉[4]を司る程度の能力を持った紅葉の神様。1面ボスの穣子の姉。山に入ってきた人間が秋を邪魔しに来たと思い、懲らしめようとした。

秋 穣子
(あき・みのりこ)

豊穣を司る程度の能力を持った神様。1面のボスとして登場するので、神様ではあるものの、姉妹揃ってのやられ役的ポジションである。

鍵山 雛
(かぎやま・ひな)

厄を溜め込む程度の能力を持った、いわゆる厄神様。流し雛が神様に転じたものである。妖怪の山に近づく霊夢らに警告を出すも、撃墜される運命に。

河城 にとり
(かわしろ・にとり)

水を操る程度の能力を持った妖怪。というか河童。人見知りするが人間とは仲良しのつもり。山は危ないので霊夢たちを止めようとしたが、結局衝突。

射命丸 文
(しゃめいまる・あや)

そろそろお馴染みになってきた鴉天狗。今回は天狗の本拠地である山に霊夢たちが侵入したので、一番の理解者として文が送りこまれたのだった。

東風谷 早苗
(こちや・さなえ)

霊夢に神社の営業停止を宣告した人。奇跡を起こす程度の能力を持った人間で、山の上にやってきた守矢神社の巫女さん。外の世界では現人神だった。

八坂 神奈子
(やさか・かなこ)

乾を創造する程度の能力を持った神様。豪快なことに、外の世界から守矢神社ごと幻想郷に引っ越してきた。人々からの信仰心を再び集めるのが目的。

洩矢 諏訪子
(もりや・すわこ)

坤を創造する程度の能力を持った神様。はるか古代から山にいた神様だったが中央から来た神奈子と戦いになった。今は2人とも非常に仲が良い。

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騒動の影
守矢神社一行ありに

本作以降しばらくは様々な事件の影に神奈子や諏訪子の姿がちらつくことになる。

()()()()() 二〇〇八

弾幕格闘ゲーム第2弾!

これもまた夏の話。天候がコロコロと変わるような異常気象が発生。しかも、幻想郷で局地的な地震が発生、何故か博麗神社だけが倒壊するという事態になった。一体何が起こっているのか、天候と地震とは関係あるのか。霊夢たちは調べ始めるのだった。

比那名居 天子
(ひなない・てんし)

大地を操る程度の能力を持った天人。温室育ちなためか自分勝手で、およそ天人とは思えない性格。出奔し、退屈しのぎで騒ぎを起こすことに。

()()()()殿() 二〇〇八

地下に集まる嫌われ者たち

地震で倒壊した博麗神社も元通りになった、とある冬。神社の近所に突然間欠泉が湧いて出た。これはお客を呼ぶチャンスと喜ぶ霊夢だったが、温泉だけでなく怨霊までも噴出。地底のことを知る妖怪たちはこれに危機感を覚え、霊夢らを諭して地底へ差し向けるのだった。幻想郷では見ないような嫌われ者たちの国、旧地獄へ――。

『永夜抄』のように人間と妖怪がタッグを組んで挑む本作。霊夢は紫、萃香、文の誰かとともに地底へ挑むことになる。

魔理沙のパートナーとなるのはアリス、ぱちゅりー、にとりのうちのひとり。魔理沙の衣装もこころなしか地底っぽく沈んだ配色だ。

黒谷 ヤマメ
(くろだに・やまめ)

病気(おもに感染症)を操る程度の能力を持った土蜘蛛。明るく楽しい妖怪ではあるが、その能力から周囲の者すべてからは嫌がられている。

水橋 パルスィ
(みずはし・ぱるすぃ)

地上と地下を結ぶ縦穴の守護神で、嫉妬心を操る程度の能力を持つ。非常に嫉妬深く、楽しそうなやつにはつい邪魔をしてしまう。

星熊 勇儀
(ほしぐま・ゆうぎ)

怪力乱神を持つ程度の能力を持った鬼。かつて伊吹萃香とともに山の四天王の一人と呼ばれた。強い人間が地上から来たと聞いて駆けつけたが……。

古明地 さとり
(こめいじ・さとり)

灼熱地獄の上に立つ地霊殿の主で、心を読む程度の能力を持った「さとり」。地上からの人間の来訪をいぶかしんだ彼女は人間たちを試すことにする。

火焔猫 燐
(かえんびょう・りん)

死体を持ち去る程度の能力を持った火車で、さとりのペット。通称お燐。灼熱地獄跡で怨霊を管理しており、地上へメッセージを送った張本人。

霊烏路 空
(れいうじ・うつほ)

核融合を操る程度の能力を持った地獄鴉。基本的に烏なので頭はよろしくない。通称おくう。ある者の思惑から、八咫烏を体内に送り込まされている。

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騒動の裏から
糸を引くのは?

「核融合」などという幻想郷に馴染のないものを持ち込んだのがいったい誰なのか。

()()()()() 二〇〇九

幻想郷の空を飛ぶ宝船

間欠泉騒ぎも収まり、春を迎えようとしていた幻想郷の空では宝船の目撃が相次いでいた。うわさでは七福神が乗っているだの、金銀財宝が積まれているなどという。霊夢、魔理沙、早苗はそれぞれの理由で船を捜しに出発していくのだった。その船の向かう先がとんでもない場所だと、彼女たちはまだ知らない……。

ナズーリン

探し物を充てる程度の能力を持った妖怪ネズミ。寅丸星から依頼されて、2つの探し物をしていた。一つは飛倉の破片、もう一つは毘沙門天の宝塔である。

多々良 小傘
(たたら・こがさ)

通りすがりのからかさお化け。人間を驚かす程度の能力を持つが、霊夢たちが驚くはずもなく、とりあえず返り討ちにされてしまうのだった。

雲居一輪&雲山
(くもい・いちりん&うんざん)

入道を使う程度の能力を持った一輪と、形や大きさを自在に変えることができる能力を持った雲山のコンビ。ある人への恩義から星輦船[sic]を守っている。

村紗 水密[sic]
(むらさ・みなみつ)

水難事故を引き起こす程度の能力を持った船幽霊。遥か昔、とある僧侶に救われたことから、現在苦境の彼女へ恩を返すべく星輦船[sic]を駆る。

寅丸 星
(とらまる・しょう)

財宝が集まる程度の能力を持った妖怪。とある僧侶の手引きから長らく毘沙門天の代理を務めていた。が、今はその僧侶復活のため力を尽くすことに。

聖 白蓮
(ひじり・びゃくれん)

魔法を使う程度の能力を持った僧侶。人間の見方[sic]を期待されたが妖怪たちに味方したことから、逆に人間たちの手によって封印されてしまっていた。

封獣 ぬえ
(ほうじゅう・ぬえ)

正体を判らなくする程度の能力を持った妖怪。当初、村紗たちを邪魔しようとしていたが、結局は自分にも益があると知り、白蓮についていくことに。

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命蓮寺は星輦船[sic]が
元になっている

白蓮が建て命蓮寺[sic]は、実は星輦船[sic]が変形したもの。『神霊廟』の話はもう始まっていた。

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『神霊廟』
の補足

マミゾウを(白蓮に内緒で)幻想郷に呼び寄せたのは、ぬえ。旧知の間柄であるようだ。

宝船だけでなく、本作ではUFOまで現れてしまうのだからさあ大変。しかもこれがストーリーに関係なさそうで、微妙に関係してきたり。

()()()()()() 二〇〇九

弾幕格闘ゲーム第3弾!

これまでの2作よりは小ぶりな作品。この作品単体でもプレイは可能だが、『緋想天』のアペンドディスクとしての機能も持ち合わせており、本作と『緋想天』の両方がインストールされていると、本作に登場しないキャラクターでのプレイが可能となる。なおチルノ、早苗、諏訪子、霊烏路空の4名が格闘ゲーム初登場となる。

チルノ

本作ではチルノのほか、早苗と美鈴にストーリーモードが用意されている。彼女たちがそれぞれ見た巨大な影の正体は何なのか、結末を確かめて欲しい。

()()()()()()()() 二〇一〇

弾幕撮影ゲーム再び!

本作のサブタイトルは『東方文花帖』となっており、同名作品の続編的扱いとなっている。主人公の射命丸文を操り、『風神録』以降に登場したキャラク ターの弾幕の写真を撮影していくことになる本作。しかし、そんな文の前にライバル誌「花果子念報」の記者である姫海棠はたてが現れて……。
条件を満たせば、はたてを自機として使用することもできる。[5]

姫海棠 はたて
(ひめかいどう・はたて)

念写[6]をする程度の能力を持った鴉天狗で、新聞「花果子念報」を発行している。古風なカメラを使う文とは対象的[sic]に、ケータイを持つ姿が印象的。

()()()()() 二〇一〇

今回は妖精たちが主役!

『東方三月精』単行本用描き下ろしエピソードをオープニングストーリーとし、その続きを小規模なゲームで描いた作品となっている。3つのステージと1つのオマケステージがあるが、3つの中から任意のステージから開始できるため、エンディングに至るまでに6つのルートがある。漫画を執筆する比良坂真琴がイラストを担当。

サニー
ルナ
スター

『東方三月精』で主役を務める3匹の妖精。本作ではチルノに弾幕を凍らされてしまう役割だが、3人同時攻撃など派手な立ち回りを見せてくれる。

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実は音楽サークル?

ZUN氏自身は自分のサークルを音楽サークルである、と言うこともある。彼にとって音楽制作はもしかするとゲーム制作と同じかそれ以上に大切なことなのかもしれない。基本的には東方Projectの世界観にのっとった楽曲や、オリジナルの楽曲が中心だ。最近はややお休みしているので、新たな音楽CDが待たれる。

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小説から弾幕解説まで

ゲームや音楽以外にも雑誌連載をまとめた書籍単行本や、書き下ろし書籍などがある。雑誌で連載が始まったのは2004年の『東方香霖堂』が最初。月刊誌に連載だったため、季節ネタや時事ネタが見られる。また、基本的にはキャラクターの誰かが書いたというていで、小説や資料などを執筆することがほとんどである。

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現在は2作品が進行中

ZUN氏は東方Projectが商業でコミカライズがされる際は、原作者として脚本を執筆している。右記の『香霖堂』の影響か、はたまた彼自身が得意なためか、時事ネタが多いほか、ゲーム作品に絡めた話もままある。基本的にはこれまでの作品をコミックにするわけではなく、ファンの世界観が拡がるような、新たな内容を心がけているとのこと。

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サークルとは関係ないかも

同人ソフト制作や、音楽CD制作やメディア展開等の活動以外に、ZUN氏の個人的な活動を紹介。

お酒に関するコラム

自他共に認める酒好きとして知られるZUN氏だが、月刊誌『コンプティーク』(角川書店)にて「博麗神主のゲームが先かお酒が先か」というコラムを連載中。毎回編集者とともに居酒屋ないしはお酒関連イベントへでかけ、飲んだお酒について書いている。「この雑誌でこんな連載やってて誰得と思われると思うんですが、少なくとも僕は得しています」とのこと。

ネットラジオ

動画配信サイトUstreamにて「2軒目から始まるラジオ」が月に1回のペースで配信されている。本誌がリニューアルされるタイミングで始まったが、本誌とも東方Projectとも直接的な関係性は薄い。やはり時事ネタの雑談話題の中心だが、タイミング次第では東方の話になる
[sic]ことも。ちなみに、出演料はその時に飲むお酒である。

http://www.ustream.tv/channel/nikenme-radio


Notes

  1. Taken from errata. In the original printing this caption was a description of Yukari.
  2. Taken from errata. In the original printing this mistakenly had a description of Letty.
  3. This mistakenly has the description of Undefined Fantastic Object. There is no corresponding erratum.
  4. Taken from errata. Originally misprinted as 効用.
  5. Taken from errata. In the original printing this mistakenly contained a copy of Hisoutensoku's description
  6. Taken from errata. Originally misprinted as 年社.

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