• Welcome to Touhou Wiki!
  • Registering is temporarily disabled. Check in our Discord server to request an account and for assistance of any kind.

Strange Creators of Outer World/Double Dealing Character and Impossible Spell Card Interview with ZUN

From Touhou Wiki
< Strange Creators of Outer World
Revision as of 09:20, 30 October 2019 by Masuo64 (talk | contribs) (Created page with "{{DialogTable/Header}} {{DialogTable|h1 | char= | ja ={{lang|en|STRANGE CREATORS<br />INTERVIEW 02}} ZUNインタビュー | en = }} {{DialogTable|h1 | ja =「輝...")
(diff) ← Older revision | Latest revision (diff) | Newer revision → (diff)
Jump to navigation Jump to search

STRANGE CREATORS
INTERVIEW 02

ZUNインタビュー

「輝針城」と「アマノジャク」について今振り返って何を思うのか――

輝針城のナゾ

――

「輝針城」は「信仰」をテーマにした作品が一段落した後のタイトルでした。

ZUN

そんな大きな話も無いしね。ちょうど世間がインディーブームだったので、設定的にも、そこを意識して「下克上」って言ってるんです。インディーゲームって言うと、アイデアひとつで奇抜な作風っていうのが当時特に多くてね。そういう時こそ変なシステムに頼らずに、普通のオーソドックスなシューティングゲームを出そうと。

――

なんかすごいエクステンド(1UP)しやすい印象のプレイ感でした。

ZUN

そんな難しくないしね。東方を知らない人が遊んでくれるようにって。

――

ラスボスが乗せられてる立場ってのも珍しい気がします。

ZUN

このあたりから話が複雑になってくることが多いのかもしれない。最近だと「天空璋」くらいかなあ、ストレートにラスボスが起こしてる異変っていうのは。ストーリーはどうしてもひねくれた感じになってくるんです。なんで戦いに行ったのか、何と戦っているのかよくわからなくなったりしちゃう。でも、それはそれで、そっちのほうがオモシロイと思ってやってるわけです。だいたいシューティングゲームなんて、せいぜい6面しかなくて、それを通じて「やっとこのワル〜い奴をやっつけた!」っていう風にはできないんですよ、ストーリー上(笑)。

――

まあ、言われてみれば(笑)。

ZUN

それをやるためには、元から知ってるキャラをラスボスに置いて「きっとアイツが出てくるだろう」って思わせて、本当にラスボスとして登場する、くらいまでやって初めて「やっと倒した」ってなるくらいかなあ。

――

あと、3面までの体験版を先に出すじゃないですか。そのときに「最後はこういうボスになるだろう」っていう予想をすごく嫌がり造りにしているというか。

ZUN

というか、予想通りだったときに面白く感じるような作り方をしてないんです。予想通りが面白い場合は、さっき言ったように「あいつがボスだろう」っていう作り方をするんですよ。まあ僕はやらないですけど、そういう作品は多いと思います。

――

なるほど。

ZUN

やっぱりケフカみたいなキャラがラスボスだったら意外じゃない?(※編注:「FF6」の話)ストーリーとしてもあまり見た事が無いパターンだったし。やっぱりいきなり出てくるキャラがラスボスってのはちょっとねえ。誰だよみたいな。ただ、ずっと出してると意外性が無くなるのが弱点で、威厳と意外性の両立は難しいんですよね。

――

たしかに。

ZUN

そんなわけで、お話としては下克上と付喪神の話ですが結局何と戦ってたのやら。あれはインディーゲームと戦ってたということで(笑)。

――

「輝針城」のナゾについてかうかがうんですが、弁々と八橋はなんで素足なんですか?

ZUN

あれは生まれたての妖怪なんで、逆に履いてたら変かなって。まあ、服は着せないといけないからさ。

――

さかさまに攻撃してくるっていう構想は早くからあったんでしょうか。

ZUN

やらなきゃいけないかなって。ただ、難しくなり過ぎちゃうから「ここから変わりますよ」って演出を入れると、逆に簡単になっちゃうんだけど、変わってる最中も当たり判定はあるから動くと危ないんですよね。あと、あの手の攻撃ってプレイヤー側はともかく、キャラクター的にはどう思ってるんだろうとか疑問は残るよね。キャラ的には何とも思ってないかもしれない(笑)。

――

正邪は結局どうしたかったんですかね?

ZUN

正邪は本当に反逆したかったのかというとそうでもなく、下克上も本当にやりたかったのかというとそうでもなく、下手したらアイデンティティのためにやってるのかもしれない。反逆した後の事には興味なさそう。反抗期的な、社会に立てついてるのが楽しいキャラであって変えたいわけじゃあないんですよね。

――

意外と針妙丸のほうが、乗せられてる側のわりには信念があるっぽいです。

ZUN

小人っていうと力は無いけど賢いイメージなんですよね。でも小さい人間が賢いと、単にうるさい感じになるしボスっぽさが無くなっちゃう。サポートキャラっぽいというか。だから表示的にはちょっと大きくしたり、キャラ的にはちょっと馬鹿っぽくなってたりするんです。そのせいかな。針妙丸にちょっと主人公感がある。

――

それは確かに。

ZUN

本当の大きさをゲーム上でも表現しちゃうと、1ドット以下になっちゃうから大きくせざるを得ない(笑)。弾幕で大きくしたりして、分かりやすい「小さな巨人」的な存在感を出したかったんですよね。でも本当に下克上の主人公だったら、小人が主人公でボスが霊夢ですよね。極悪非道のボス。東方だとありそうだけど。まあ、今の霊夢は傍観者みたいなポジションで、とりあえずあの世界で怒ることを見ているだけで、ボスを倒せないと見れないから倒してる、くらいになってきてる感じはします。

――

(笑)。

ZUN

「輝針城」はまあ、そういうラスボスだったせいなのかとても軽いお話ですよね。それが明るい印象になって、良かったんだと思います。とにかくボス側のほうのテーマが強くて、霊夢とかは何もしてないですからね。道具は利用しただけだし、特にお話に影響もしてないし、やっぱり傍観者だったなって。「東方ではよくあること」です。

――

そう言っちゃっていいんですかねえ。

ZUN

まあ、もっと言ってしまうと雰囲気ゲーなんですよね。ちゃんと完結してるストーリーが無い。異変も終わってないやつとか多いし。一応おかしなことを霊夢が収めた、ということになってるんだけど、実情はというと……。霊夢が行かなくても勝手に収まってる異変もあるしねえ。

――

うーん(笑)。雷鼓についても聞きたいんですが、外の世界とつながっちゃうのはなかなか意外でした。

ZUN

飛んでますよね、設定が。EXボスは楽器キャラにしたかったんだけど、古典的な楽器が続いたから新しい楽器にしたくてさ。東方らしい考え方かなあって。電気キャラって珍しいですよね。

――

幻想郷に電気が馴染まなそうというか。

ZUN

あれもデンデン太鼓からの発想で電気に繋がってるんです。ほかに電気を使うキャラもいますけど、電気の能力自体はメインじゃないんですよ。難しいですね。雷鼓は太鼓が楽しいですよね。ロケットと似てるなーって思って飛ばしちゃいました。太鼓が画面の端から端まで行って、爆発してドンって太鼓の音がしたらかっこいいかなーって。

――

手応え的にはどうでしたか。

ZUN

「輝針城」は過去のゲームを知らないと楽しめない内容っていうわけじゃないので、このあたりからまた東方に入ってくる人が多い印象ですよね。「紺珠伝」とかだと昔からのファン向けのお話で、住み分けが出来てるんじゃないでしょうか。

弾幕アマノジャクについて

――

システム的にはアイテムを使う前提というのは新しいです。

ZUN

それでも使わないでクリアできるための道をわずかに残すのが大変でした。完全に避けられないように作るなら、そのほうが制作は簡単でしたからね。かといって特定のアイテムじゃないとクリアできないのもつまらないし。

――

なるほど。

ZUN

僕の中ではポップに作った作品です。作った理由はものすごく個人的なもので、ちょうど嫁さんが一人目の子供を妊娠していて、出産予定日が初夏だったからコミケには出られないなって。だから5月の例大祭までにゲームを1本作ろうと。そのころはまだまだインディーゲームブームで、僕は「定期的にゲーム出します」って言っちゃった直後だったので、休むよりは作ろうかなって突貫で作り始めたんです。システムとキャラクターはもうすでに手元にあるから、特に難しいことは無いなって。

――

なるほど。

ZUN

でも「文花帖」みたいなゲームをやるほどではないなと思って、別の新しいのを作ろうかなって思って。だからテーマが「気軽にゲームを作る」なんです。ほかのインディーゲーム制作者たちがどんどん大作志向になって、次の作品を作れなくなっている、みたいな話が多い中で「さらっと出す」っていうのをやりたい、ってのもあったんです。誰向けかと言ったら自分のためだけど、周囲に対しての提案の一つでもあるんです。

――

たしかに、タイミング的は同人だインディーだっていろいろ議論があった時期かもしれません。

ZUN

議論自体はばかばかしいですよね。それよりも作ろうよって思う。そして今はもうインディーズとか言わなくなって、単に小さなデベロッパーになっちゃったよね。そういう枠組みよりも、中にいる人が育った土壌の問題かなあ。そこで気付いたのは、同人とインディーの差は、インディーゲームは最終的にユーザーに向けて作られるんだけれども、同人ゲームは作ることが目的なんですよね。自分のために作るから「好きだから」っていうことも良くも悪くも出てくる。そういうことを考える時期でした。そして今は個人が作ったものをすぐ世界中の人が触れられるようになりました。

〈了〉

Finished

Notes