Strange Creators of Outer World/Introduction of Previous Works/Mountain of Faith/Overview

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東方天空璋
ZUNインタビュー
S T R A N G E  C R E A T O R S  I N T E R V I E W  0 1
例年以上に多忙な中での制作となった「天空璋」。
全体はもちろん、各部分も振り返ってもらいその細部に宿る意図に迫ってみた。
前作にあたる「紺珠伝」がそうでしたが、タイトルにキャラ名が入らないシリーズに突入したのでしょうか?
もともと入らないシリーズでしたからね。
ええー。
それはともかく、タイトルに入っている「璋」の字は、本来は「障碍神」としての「障」だったんです。ロゴも作ってみたんですが、どうにも微妙だったので王編の字を使って現在のタイトルにしました。 [1]
変更した「璋」も天の柄杓、北斗七星を指すわけですから、いずれにしても隠岐奈を表す字だったわけですね。
体験版のところどころに、FIX前のタイトルであるところの「天星璋」がまぎれちゃってるんだけど、まあ意味としては同じですよね。ただサブタイトルに「Hidden Starsって星が入っているのにメインタイトルでも星が入ってるのはなんだかなってことで、語感的なところも含めて「天空璋」になったんです。
サブタイトルは意味ありげですけど、じつはあまり無いですよね?
たしかに、あんまり無いよね。一応隠岐奈のことを指してるって言えばそう、くらい。
ああ、「秘神」だから、四季を通じて隠れている。今回、4種類の装備を4キャラに自由に付け替えられるっていうシステムは、ありそうでなかったですね。
最初のアイデアはもっと複雑だったんです。当初の予定では、Extraで解放される5つ目の季節「土用」は本編で解放して、本編をもう一周しないとExtraに行けないようにするつもりだったんですよ。そうしたら真のエンディングを見られるようになる、っていう構成で、でも制作の手間が増えることはもちろん、ゲームとして単純にダルくなると想ってね。「永夜抄」みたいなものをイメージして貰えばいいと思うんだけど。
なるほど。
一周目の最終ステージでは装備が全部奪われることになるんだけど、二周目は奪われずに倒す、という展開にしたかったんだよね。でも、真のエンディングをExtraに持ってきた方がストーリーもわかりやすくなったし、ダルさも回避できたのでゲームとしては良くなったと思ってます。
ちなみにその展開だった場合は、誰がExtraのボスになっていたんでしょうか。
また別のキャラが登場していたでしょうね。まあでも、初期アイデアだとExtraまでが長い! と思ってね。「永夜抄」のときはそこがタルかったのが反省でさ。あまりむやみにボリュームを増やしても仕方ないと思ったの。簡単にゲームのボリュームを増やせるやり方ではあるんですよね。二周しなきゃいけなくさせるのは。
やらなきゃいけないことが増えますからね。
もっと言うと、5個目の装備を出すためにはすべての季節装備でクリアしないといけない、くらいのことを考えていました。それぞれの装備の進行度を用意してさ、それを管理しながらプレイしていくみたいな感じで。進行度も最後までクリアしなくても貯まるように、みたいなことを考えていたんだけど、面倒くさいな、そんなのユーザーが楽しむのかなって思って。
もう別のゲームですよね(笑)。
説明も面倒だしね。あとはもう今の状態とは別に、特定のキャラと装備の組み合わせだとラスボスに会えなくてもいいかな、とかも考えました。でも、それで他のキャラに変えたら一からやり直しになっちゃうからやっぱりタルいなって。Extraも5個目の季節じゃなくて、すべての季節装備を装備することも考えたりしたんだけど、単純に攻撃がバラバラになるだけで面白くはなかった。そんなこんなで結果的にできあがったものから見れば、今みたいなゲームを最初から構想していたんだろうなっていうことに見える(笑)。
(笑)。
普通にクリアするんだけど、どれをそうしてもバッドエンドっぽいエンディングになっちゃうのは最初の構想の名残ですね。本当はもう一周して倒すことを考えていたわけだから。
同じキャラと二回戦うのはちょっと懐かしい感じがしました。
6面とExtraに分けて戦うようにして良かったと思う。6面までクリアしたら、Extraで誰がボスとして出てくるかみんなわかると思うんだけど、今までにないパターンで良かったですね。
季節解放は「妖々夢」の森羅結界に近いプレイ感でした。それ以外にもボムを使ってねって感じる部分もいっぱいありましたし。夏とか土用が使いやすいですね。
本編のストーリーから考えると季節解放は敵の力だから、あまり使わないほうがいいんですよ、本来はノーショットノーボムが理想(笑)。
それもうシューティングゲームじゃなくて避けげーですよね?(笑)
自前のショットはいいんですよ。あれは我慢しなくてもいいの。
キャラごとにストーリーに対してしっかり役割があります。
「なぜこのキャラをプレイヤーキャラに選んだのか」っていう部分が、これまでは不足していましたからね。以前のものは「同じストーリーに対して、選んだキャラによって見え方が違う」くらいでしかなかったので、今回はそれぞれ違うストーリーにしてみようと。だから惰性で選ぶキャラをあまり出さないように心がけました。強いて言えば霊夢と魔理沙は必ずついてくるので、その二人はどうしても似たような話になる。だからあの二人に関しては今まで通りのやり方で、他のキャラのストーリーの作り方を変えていけばいいのかなって考えています。
霊夢は本編らしいストーリーでしたよね。幻想郷とは、みたいな話を絡めつつ、なぜ隠岐奈が異変を起こしたかが一番わかりやすい。それに対して魔理沙は魔理沙というキャラにフォーカスしつつも、隠岐奈のキャラを掘り下げていくじゃないですか。魔理沙をスカウトしてみたりとか。
今回ストーリーの理解を深めるためにはクリアする順番がけっこう重要ですからね。オススメは霊夢→魔理沙→チルノ→文の順番で、いきなり文からクリアしても意味がわからない人が多いかもしれない。
エタニティラルバ
ネタが豊富な1面ボスでした。
今回はどのキャラも役割を持った立ち位置にしているんです。まずチルノが一人だけ浮かないように対のキャラとしての役割があります。妖精が暴走しているのが異変の本体なので、チルノとラルバが戦っているシーンが異変の一番のクライマックスです。表象的な部分では、あのキャラがいないとチルノはExtraに行けないですしね。チルノだけ4面クリア後に自分の背中でラスボスに挑むじゃないですか。
隠岐奈のキャラ性の補強というか、常世神と敵対した者といえば、というところと「普段は目立たない奴らが表に出てきている」というのは物語のヒントだったんですよね。
まあ犯人探しがゲームの目的ではないですからね。全体のちぐはぐ感がない感じにしたかった。
ボス曲は名前がシェイクスピアというかメンデルスゾーンというか。鱗粉のキラキラ感がありました。
夜ではないんだけどね。妖精と夏ときたら、どうしてもそのへんが引っかかっちゃうから。これに関してはなんのひねりも無い(笑)。曲名は結局ステージまで作りきった後から考えるから、特に1面とかは悩むんですよね。道中局の「希望の星」はプレイヤーのことで、ステージ最中に森の上空に飛び上がる感じをそのまま採用します。
キャラのデザインについてなんですが。
正直に、複雑にしてしまったので描いてて後悔する(笑)。僕はともかく、ほかのヒトが漫画で描くときにアゲハの模様とかが大変そう。
成虫・さなぎ・幼虫の全部がデザインに取り入れられているのは「三位一体=完全=神=常世神」ということなんでしょうか。
成虫の妖精というよりは、昆虫として完全変態する妖精、というイメージなんです。さなぎをどこに入れたらいいんだ? ってところが特に困りました。無理矢理入ってますけど。
セリフとか見た目とか、弱そうなポジションだけどアレ? って思うくらいに盛りだくさんですよね。
でしょう? だから強そうな名前にしたんです。最初に名前を見たときにFFの隠しボスでも出てきたのかな? って感じがしましたよ。当初は「ラルバ」じゃなくて「ラーヴァ」だったんですが、もっと強そうになっちゃって。完全に洞窟の奥とかに構えてそうなヤバイやつ臭が出てきて、「あ、これ世界観が違うやつだ」って思ってラルバになりました。
坂田ネムノ
1面にネタを詰めたおかげで2面は普通です。
妖怪としては大定番ですよね。
有名だけどゲームではほとんど出無いよね。今だったらもう「ヤマンバギャル」くらいしか知られて無いかと思って。
今……かなあ。
最初は見た目をヤマンバギャル風にしようと思ってすごく悩んだんですよ。化粧の濃いメイクにしようかって想像してみたんだけど、なんか悲しくなってきて。
渋谷の街に大量にいたヤマンバギャルも幻想入りした、みたいな?
絶対面白いのはわかるんだけど、そういうことじゃないなって。出落ち感が強すぎてね。そうする勇気がなかったのかもしれない。
オタクの中にギャルブームはきててもヤマンバはきてないですしね……。あとは山姥+金太郎ネタが多かったです。
山姥の扱いも微妙に難しくてね。存在自体は有名だけど基本的に怖い役や敵役、悲しい話になっちゃうから、いい話があるとしたら金太郎くらいになっちゃう。今回は、それぞれすべてのステージにプレイヤーキャラクターと対応したボスが配置されているので、2面に関してはステージが秋ということで、情報化社会の天狗と、情報を断ち切っている山姥を対比させているわけです。天狗と山姥とが友好的にいるためには不可侵条約を結ぶ、お互い関わらないことにするしかないという。
デザイン的にはかなり古典的イメージに近いです。
秋っぽい格好にしたかったけど、結構寒そうな感じになっちゃった。イメージから考えると原始人ルック的なものしか難しいけど、シンプルにまとめられたとは思います。ボロボロな感じにしてみすぼらしさを出したくはなかったから。適当に作るとぼろきれを纏うのが正解なんだけど……。
振り返って思ったのは「風神録」2面にも「秘神」は出てたなと。
今回の山姥に関しては、ゲームが普段からでてこないキャラが表に出てくるというのがあったので、こういうのもいたんだよというのを見せられたらと思っています。有名なわりにあまりゲーム作品には登場しないけど、今回キャラを作って山姥がゲームに登場しない理由がよくわかりましたよ。微妙に扱いづらいんです、華やかなわけでもないし、おばあさんのイメージが強いから。
高麗野あうん
この手のキャラはこれまで出なかったですよね、3面4面と。
狛犬にそんなネタないしねえ。有名になったのは「妖怪ウォッチ」の「コマさん」くらいかなあ。というかそこしか知らないかもしれない。「ジバニャン」は猫の地縛霊っていうのはわかるんだけど、コマさんは何なの?
普通の、田舎の狛犬です。
あうんが狛犬であることに深い理由はないんですが、その顛末は「茨歌仙」で語られていますので、そちらをご覧いただければと。他のキャラの話も、いろいろなところで出てくるかもですよ。あ、でも名前は結構悩みました。結果、あうんという……、どうにもキャラ感が出ちゃってるのが今でも気になってます。あれでよかったのかなあと。
でも狛犬って結構不思議な存在じゃありません?
由来もなんだかんだでよくわからないしね。どこまでさかのぼったらいいんだろう、スフィンクス? それに、なんのためにいるのかとか、そういう風習がなんで広がったのかとか、バリエーションがすごい多いとかいろいろ興味深い。なのであうんの服は「かりゆし」チックにしています。
矢田寺成美
他のキャラもそうですが、あうんと成美が特に表情がすごく豊かですよね。
危機感もないけど敵意も基本無いからね。そういえば名前の表記の件なんだけど、自分でもちょっと混乱してて。
会話時の名前がポップする際には「成美」表記で、戦いになった時の体力ゲージ横に書いてあるのが「Naruko」、そして魔理沙だけが「成子」呼びです。
となると「成美」が正しいような気がする。当初は「成子」だったんですが、後に修正されて「成美」になって、それが修正しきってないんですね。
魔理沙がつけたニックネームかと。
まあ、両方に意味があってどちらでも大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど「◯◯子」っていう名前が多いから微妙かなえ。ポップアップの部分が最初に直す部分だから、そっちが正しいはずです。最初は多分成子こけしのイメージがって名付けてたはず。
矢田寺は有名なお地蔵さんの一つがある場所ですが、有名なお地蔵さんってなんだかひどい目にあってるのが多いですよね。ぐるぐる巻きとか。
多いよね。お化粧してたり川に投げ込まれたり、引きずり回されたり。それくらい民衆に近い場所にいる、ということなのかもしれないけどさ。なにやっても許してくれるのかな。
デザイン的には直球で笠地蔵です。
ステージが冬だからね。誰かが被せてるんだよ。
「永夜抄」で魔理沙が「お地蔵さんに笠をかぶせて回ったのも、全てはアリスがやった」って言ってましたが。
ようやくその伏線が回収されたよね(笑)。成美ももうお地蔵さんではなくて、存在としては魔法使いになっています。魔法の森に住んでいて、魔力の影響を受けたよくわからない存在です。あまり地蔵感はなくなってるの。
ステージ曲はイントロからかなり冬の旅感が出てます。
もうちょっとキラキラした音とか静かな音とかのほうが冬っぽさは出るのかもしれないけれど、爽やかな冬っていう感じにしたかったので今の格好に落ち着きました。
そしてボス曲では爽やかさから一転してヘヴィな感じに。
いきなり重低音感がね。地蔵だから仕方ないよね。ドッスンドッスンくるイメージを狙っています。吹雪に流されずにどっしりしてるとしたら地蔵だよな。そしたらこういう曲だよなって。そして冬の地蔵だったら笠地蔵だよねって。
爾子田里乃&丁礼田舞
5面ボスの名前は初見だとまず読めないですよね。
爾子田も最初は「西田」にしようかと思ったんだけど、あまりにも普通の名前すぎてやめました(笑)。西田敏行のイメージが強いし。かといって元のままの名前にしておくのもダサいから、「田」にしたほうが見た目的には苗字っぽくなるかなと思って。
操られているとはいえ大変そうではありますが、あの二人は元の性格も軽い感じなんでしょうか?
たぶんね。そういう人しか選ばれない。
見た目もモチーフにかなり忠実な感じですが、スペルカード名に「茗荷」が来るとインパクトがあるというか、笑わせられますよね。
茗荷はいいよね、いろいろ伝説があって。元だと二人がそれぞれ竹と茗荷を持ってるんだけど、竹担当と茗荷担当に分けました。そっちのほうがキャラとしては絶対に面白くなるじゃないですか。結果、竹のようにスパッとした性格と、茗荷のように訳のわからない、おっとり系の性格に。
あの二人にまったく悲壮感がないのが逆に怖いなと。
ゾッとしちゃうよね。音楽も怖いんだけど、軽いし、リズム的にも気持ちいいよね。ノリノリでダンスしてるというかさせられてるというか。
これまでの作品でも5面ボスの曲は、特徴的なものが多い気がします。
唯一、ゲーム全体を通しての「中ボス感」を出すのがそこなんだよね。ラスボスではないけど、絶対にボス感を出す必要があるから。ひととおりいろいろな曲を聴いてくると5面のボスが気になってくる人がいるかもしれないけど、それも通り過ぎると元の普通にかっこいい曲がよく聴こえてきたり、もしくはすべてを通り越してもう全然音楽とは呼びづらいものがよく思えてきたりするかもしれない。王道側に戻りたいよね。
道中も厳しくかつ不気味な感じです。
完成したゲーム版ではそこそこだけど、制作途中に音楽とステージの背景だけがある状態のときが相当不気味でしたよ。なんだろうこれ、本当にこれでいいのかなって感じは出てた。
摩多羅隠岐奈
6面道中はボーナスステージといつもおっしゃってますが。
激しいですけど、すぐ終わっちゃいますよね。この道中を、奥へ奥へと進んでいく感じが伝わるようにするための表現が若干難しかったかなあ。
メインのメロディ、細かく刻んでいく部分が踏み込んでいくのを感じました。
データ的にも背景を奥にどんどん入っていくというのをストレートに作るのは結構大変なので、できるだけ省エネでも伝わるようになるかを両立させるのが一番苦労しました。でも悩む時間はそんなに持てないから速攻で作るんだけど、そういうのも楽しい。
そしてボスですが、たしかに摩多羅で翁だなあと。
そのまんまですよね。今回はストレートに元ネタにしたかったんですよね。それが作品に現れてる。僕としては摩多羅神が幻想入りしているのを感じたので、じゃあもうそんなにひねる必要がないなあと。
摩多羅神でありつつ、秦河勝の影もチラチラ見えるような。河勝なら常世神や、狛犬とも繋がりがあるわけで。
本質の部分がね。でも能楽の神にしておくことによって、こころと繋がりが持てたら美味しいんじゃないかなって。
河勝ネタはこころで終わったと思ってました。
逆に言うと、そこ以外で活かせる部分が少ないんだよね。謎すぎて。僕としては河原者の部分を活かしたかったんだけど、そこを押し出しちゃうとゲーム全体に道徳臭が出ちゃいそうで嫌な感じになりそうだったから。
今回、障碍の神を称する翁が幻想郷で自分の存在を誇示するために、全面に出てくるという話だったわけじゃないですか。他のキャラもそうですけど、隠れていた者がわざわざ出てきたというのは、逆説的に現実の世界ではどんどん隠れなきゃいけなくなってる存在が出てくる、という構図なのかなと。
そこまでは考えすぎかもなあ。
Extraをクリアして最初に思い浮かんだのは、津久井やまゆり園の殺傷事件なんですよ。
痛ましい事件ですよね。思うところはいっぱいありました。
そういう人たちの代表である障碍の神が、むしろ我こそはここにありと逆に目立って、幻想郷で活躍する、という……。
むしろそういう人たちのほうが強いぞ、くらいのところを見せたかったんですよね。最初のテーマは僕的にはそんな感じだった。でも、それだけで気持ちいいストーリーにするのは難しい。作中、セリフではやたら河原者だとか虐げられたとか言うんだけど、実際にそういうストーリーの部分はほぼなくなっていて、天狗は同じ存在であるみたいなことも言うけど、説明も解決もないから結局よくわからないままにしているんです。あまり言わせちゃうと小うるさい感じになるし、もっとわかりやすいイメージにしても良かったのかもしれないけれど、そうすると障碍者の方を揶揄するようになりかねない。当初ラスボスは車椅子に乗って出てくるというイメージだったんだけど、本当に難しくてね。その名残で今は椅子に座っています。
当事者ではないし、本当に難しいですよね……。
テーマとして正面から扱うには難しかったですね。最初の考え通りタイトルの文字が「障」だったら、やっぱり賛否両論になって揉めてた気がする。なので今回は、もとは障碍者に限らず被差別民的な人たちの集まりが幻想郷になる場所に集まってきていて、そんな幻想郷を作った一人でもある隠岐奈が現れた、というのをやりたかったんだよね。
幻想郷の成り立ちの話はこれまで触れられてなかったので踏み込んだ印象です。言われてみれば、不便な山間部で外部との交流もあまりない場所に集落ができたきっかけを考えると、そういう可能性はあったわけです。
どうしてもみんな差別されてきた側の人間を考えずにはいられないよね。そういう話をインタビューでいうと、そういう意図だったんだっていうことになるけど、これをゲーム中でやると本当にウザくなっちゃう。説教くさいというか何で楽しんでいいのやら、っていうゲームになっちゃうから。
そういえば河勝が祀られている神社って「おおさけ神社」じゃないですか。
あのネーミングいいよね。「大酒」と「大避」の両方があるのも大好き。いろいろな由来があるけど、向こうの戦火を避けてきたのかなあ。
天台宗の一派が持ち込んだと言われる摩多羅神ですが、中世の天台宗系や真言宗系でやたら性的な儀式にハマって邪教化した挙句滅ぶみたいなのもありますよね。
あのあたりも面白いからネタにしたくはあったんだけど、どうしても下品になっちゃうからね。
そのことがちらついたから「摩」「羅」が「多」いの!? と見えて一瞬驚きました。
そのへんは「女神転生」のマーラ神とかのおかげでみんなに抵抗感がなくなってるから大丈夫(笑)。
曲名にある「秘神マターラ」ですが、摩多羅神のルーツの一つともいえる母神の名前なので、隠岐奈は女体化されてるわけではないんですよね。
マーラ自体が言ってしまえば「摩」でもあり「魔」なわけですよ。日本で言うところの「魔」ってだいたいそこから来てるんじゃないだろうかなって。だいたいの使われ方が「魔が差す」みたいに「魔」の一文字で済ませることがほとんどだけど、その語源はわからない。そこまでいくと「魔」の言葉は向こうから来たのかな、魔法とも繋がっていたのかな、なんて想像が膨らみますよね。基本的にアヤシイものなんですよ。
振り返ってみて
どうでしたか、手ごたえとか。
いっぱいいっぱいでしたね。今もいっぱいいっぱい。でもまあ、気持ちいいんじゃないかな。ストーリーはちょっと気持ち悪いところもあるけど、最終的にはいつも通りかなって。もっとああしたかった、こうしたかった、そういうことはいっぱいあるけれど、すべては次に活かしていけたらいい。なんにしてももうちょっと時間がほしかった感はある(笑)。こんな感じでよかったのか、というのが今の悩みといえば悩みかな。考えても答えが出てくることじゃないからね、できることといえば作ることだけだし、自分のできること以上を求めないのが大切な生き方なのかもしれない。
自己との闘いですかね。
全体として細かい部分は良くできたかなと思ってます。
お気に入りの弾幕は?
あまり小手先の技術を使わないことが多かったので、そういうやつのほうが作ってる身としては良い感触です。ただ、丁礼田と爾子田のスペルカードは全然避けられなくてね、イライラしちゃう(笑)。見た目が地味なのにすごくよけづらくて、かつ避けても気持ちは良くないから、良くない弾幕の筆頭かな。特に七夕のやつが筆頭かな。最初はもっと画面いっぱいに星が降ってきて綺麗だったんだけど、まったく避けられない(笑)。かといって弾を減らしたらなんだかわからなくなっちゃって、それでも事故死するんだからどうしようもないよ。
曲はどうでしたか?
曲の方は良くできましたよ(笑)。あえて言うなら4面の道中かな。もちろん他にもいっぱいあるけれど。
「秘匿されたフォーシーズンズ」のCメロが「ネクロファンタジア」っぽいと評判ですが。
そうなっちゃうんだからしょうがない。意識したとかじゃなくて、結果的にそうなっちゃう。そんなに曲のバリエーションがあるわけじゃないんだからさ。逆に、じゃあなぜ「ネクロファンタジア」がああいう曲なのかと言われたら、書いたらそうなっちゃったからとしか言いようがない。
そう言われるとどうしようもない(笑)。そういえば体験版のときにZUNさん的には「花映塚」と同じテーマで作っている、という話をされていましたが。
それは、ここ最近のゲームが以前に作った作品のアンサー的な作品になっているからです。ストーリーに相関関係がある、ということは一切ないんだけど「それっぽい」なというくらいの関係ですね。
お地蔵様が出てくるところとか?
ストーリーは今回は謎というか、今後のオープニングみたいなものですよ。新しい扉、入り口です。最後まで遊ばないと、何がこのゲームで起こっていたのかわからない上に、なぜか解決したというオチですからね。問題だと思っていたところも解決しちゃった、というふわっとした感じ。そういうのでもいいかなと思っています。
なるほど??? 曲の聞かせ方なんかは今回素直なつくりの気がしたのですが。
僕の中では今回の曲はポップミュージックですから。ポピュラーさを考えていました。しかし、今回のインタビューで「天空璋」の本当の魅力はよくわからないよね、僕もわからない。
1000円で気持ちよくプレイできる部分じゃないんですか?
そこだよね。1000円で何回ガチャできるんだか。それにしても、もうちょっと時間があればExtraのあとにもう一回エンディングがあるのも良かったのかもしれないと思ってて。あっちが真のエンディングだからさ。でもエンディングを作る時間なんてほとんどないから6面の後に入れるので精一杯。



  1. The form of its main part is , but it's the official form of as the main part. So that of is 玉編, not 王編.