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Strange Creators of Outer World/Uni Akiyama x ZUN interview
Strange Creators Interview 02 ZUN×あきやまうに |
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黄昏フロンティア作品で主に音楽を担当している、あきやまうに氏を迎えての音楽対談! |
「砕月」誕生秘話 |
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古い話で恐縮ですが、うにさんと東方の出会いはどのようなものでした? |
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Uni Akiyama |
僕が所属している黄昏フロンティアがZUNさんに声をかけて一緒にゲームを作ることになったんですが、その時点ではまだプレイしたことはありませんでした。一緒に何かをやるからにはまずゲームを触らないと何もわからないですから、そこで初めて「紅魔郷」をプレイしてみたんです。で、これがまた難しくてEasyだと何とかクリアできるくらいでしたね。 |
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ZUN |
今だとクリアできるんだけど、あの頃だと情報がほとんどなかったからね。 |
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―― |
Easyだと5面で咲夜に追い返されちゃいますしね。 |
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ZUN |
僕がEasyに対して否定的だったんですよね、あの時は。でも思ったより多くの人が遊んでくれて。自分はシューターというかマニアに向けて作ったつもりだったから、ビックリしました。 |
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―― |
今もそうですが、「同人の同人」が出るってすごく珍しいことでした。ZUNsだんの曲に触れた最初の印象は? |
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Uni |
最初ですかー……。ゲームを一緒に作るって決まったうえで聴くから、鑑賞よりも解析に入っていましたね。 |
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―― |
最初から、楽しんで聞くものではなかったというわけですね。 |
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ZUN |
勿体無いね~。 |
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―― |
ZUNさんは、うにさんの曲を……もちろん聞いたことありますよね? |
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ZUN |
うにさんが作った曲を、僕がゲームのシーンに割り当てているんですよ。 |
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Uni |
「萃夢想」を作ってたとき、最後のギリギリになって曲が足りなくなったんです。もうちょっとあったほうがいいと言われて、じゃあシーンに合いそうなやつをと3曲ほど作って。どれか1個使われるかなと思ったら全部使われちゃいました。でもそれ、渡した段階ではラフの状態だったんですよ。 |
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ZUN |
大丈夫、ラフの状態でタイミング合わせてるから(笑)。 |
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Uni |
しかも、もう清書する時間が無いからって、そのままの状態でゲームに使われてるんですよ。 |
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ZUN |
全然それで問題ないはず。未完成だったら使わないから。 |
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Uni |
そのなかに「砕月」もありまして。 |
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All |
(笑) |
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ZUN |
あれはやっぱり演出がよかったんだよ。イントロからすぐバーンて上がって、聴いてすぐ使おうって決めました。演出的にも、その直前までの気持ち悪い雰囲気の曲から、急に空から出て抜けるっていうインパクトを出したかったんですよね。まだ黄昏さんがこっちの言ったことを読み取れなかった時代だったから不気味な演出になってたかもしれないけど、音楽自体は上手くいったのかも。 |
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音楽体験について |
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―― |
音楽体験についてお伺いしたいのですが。二人とも吹奏楽をやっていたと。 |
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ZUN |
中学のときに3年間やってたね。 |
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―― |
トランペットを。きっかけは? |
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ZUN |
あちこち見学に行きましたけど、小学校の6年間ずっとスキーをやってたんですが、体育会系が辛くて。 |
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Uni |
吹奏楽は文科系の中の体育会系ですよ?(笑) |
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ZUN |
体育会系が嫌で文科系に入った結果、体育会系だった(笑)。 |
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―― |
パート決めもいろいろあったと思うのですが。 |
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ZUN |
せっかくならトランペットのファーストだよと思いますよ。やりたいと思うじゃないですか? 結局セカンドだったんだけど。 |
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All |
(笑) |
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ZUN |
でも1年で入ってセカンドをやって、次第にそれが気持ちよくなって。ファーストにあわせて吹いてる音が気持ちいいんですよね。ところどころ目立つ気持ちいいメロディーをセカンドがやるから、すごくいい。 |
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Uni |
トランペット2本使って和音で鳴らしたりするの多いですよね。 |
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ZUN |
トランペット好きだからね。 |
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Uni |
僕は逆に、チューバとホルンという、メロディーをやることが少ない楽器を演奏していました。小学校4年から高校3年まで吹奏楽でチューバをやっていました。小さいときから身体は大きかったので、自分からやりたいと思ってチューバを選んだ気がします。率先してメロディーを吹きたい、という気はなかったかなぁ。 |
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ZUN |
でもバンドやるって言いだした人間は、ボーカルやりたいって言うでしょう? |
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Uni |
実際に演奏してわかったのですが、低音にも楽しさがあるんですよ。でもやっぱりその中でもつまらない譜面と、おもしろい譜面があるんです。 |
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ZUN |
なんにもやることがないか、ずっと同じことをやってるか、みたいな? |
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Uni |
同じ音をずっと刻むのが気持ちいいという人もいるんですけど、僕は低音が複雑に動いてる方が好きでした。なので曲を作るときは、主に伴奏を担当する楽器にも演奏して楽しめるようにというか、主役になる部分があるようしています。メロディーの隙間に他の楽器の活躍できる場所を入れてくような感じで。でも、やりすぎるとちょっと音楽自体がわかりづらくなっちゃうんですよね(笑)。 |
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ZUN |
うるさい曲になるんですよね。 |
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Uni |
頻繁に主役になる楽器を変えると、聞き手はどの音を聴けばいいかわからなくなっちゃうので、最近はちょっとわかりやすくするよう意識しています。 |
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ZUN |
僕もそういう曲ありますよ。二つか三つが交互に入れ替わって喧嘩するようなやつ。でもそれはキャラクターに合わせてだから。 |
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Uni |
そういう場合は二面性とか、性格に合わせてですね。 |
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ZUN |
それがプリズムリバーみたいに3人みんな喧嘩したりね。でも演奏する側のことは全然考えたことがなくて、僕のゲーム。音楽をあまり演奏するものだと思ってないんですよね。吹奏楽のときは用意された譜面だったからそれでいい、でもゲームミュージックはそうでなくてもいいんですよ。聞けて派手だったらいいでしょって。 |
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Uni |
あと大学では2年までオーケストラに入っていて、そこではホルンだったんです。チューバはなかった。 |
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ZUN |
チューバが出ないの? |
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Uni |
あんまり出番がないんですよ。特に古い楽曲だと、編成にない、必要なときは外から呼ぶんで、常に要るのだとホルンだなと。でもオケは弦がメインですから、ホルンになってからは休符ばっかり(笑)。吹奏楽のホルンとオーケストラのホルンって結構違うんですよ。吹奏楽のホルンは裏の刻みばっかりで肉体労働、あれは面白くなさそうなんですけどオーケストラでは面白いんです。裏のところでワンポイントでファーンとかやると結構かっこいい感じに。だけど休符数えるのはめんどくさい。 |
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―― |
確かに。 |
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Uni |
結局メインではないんです。でもそのおかげで低音と裏の合いの手みたいなのを学んだというか。そういうのは作る上で影響がありますね。そういえばZUNさん鍵盤は? |
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ZUN |
全然やってない。子供のとき誕生日にキーボードをもらって、それでずっと遊んでたり。あと卒業するときに小学校の足踏み式オルガンが余ってて、それをもらってきたんですよ。今でも実家にありますけど、あれで遊んでました。ああいうのがおもちゃだったんですが、おもちゃとしてずっと弾いてたから楽しいの。こういう曲ありじゃないかな、みたいなのを子供のころずっとやってたわけですよ。 |
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Uni |
僕は小学校の1年から中3年までピアノを習ってたんですよ。でも今はやらないですね。演奏は難しい。 |
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ZUN |
演奏したいわけじゃないからね。だから打ち込みやるんだし。 |
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Uni |
僕も完成形であればいいやって、自分のできないこともやれちゃうわけですし。初めてシンセサイザー(SY85)を買ってもらったのが中3ぐらいだったんですよ。そこから打ち込み式での作曲を始めました。 |
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ZUN |
僕もそうだったから、オルガンとシンセサイザーで、小学生の頃にもらったんだけど。 |
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Uni |
作曲はどれぐらいから? |
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ZUN |
演奏してた曲は、大体自分で作ってましたから? |
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Uni |
そのころから!? |
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ZUN |
こういう曲ありじゃないかなって。 |
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Uni |
僕がそれをやったのは、中3ぐらいからですね。まだ録音はできなかったかな。 |
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ZUN |
録音したりっていうのはなかったけど初めてとしては「マリオペイント」の音楽があったんで。 |
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Uni |
(笑) |
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ZUN |
あれで曲を入れてみたりとか、「デザエモン」とかでも入れてましたけど、中学生くらいかな。 |
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Uni |
それぐらいにありましたっけ? 自分の考えた曲を再生できるっていうのは、かなり感動しましたよね。 |
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ZUN |
感動しました。でもキーボードでも再生する方法があったんですよ、自分で鍵盤を押して記録させてそれで聞いてた。 |
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Uni |
自分の弾けることを再生するのはそんなに難しくないんですけど、組み合わせて複数のパートを再生できたっていうときはものすごい。 |
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ZUN |
だから僕は再生してるときに重ねて弾いてね。そういうことはしてました。 |
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―― |
コーラス自分でボーカルも自分の多重録音みたいな(笑)。 |
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ZUN |
ああいうのがあって、作曲に対する敷居がすごく低かったんですよ。だから曲なんてすぐ作れると思いました。遊び感覚ですよ。 |
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Uni |
初期は僕、ちゃんと譜面にも書いてたりしましたよ。 |
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ZUN |
僕はそうしなかったですけどね。頭の中でなんとかなればいいやって。 |
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―― |
聴く方だとどうですか? |
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Uni |
大学とかその前ぐらいまではふつうにTMネットワークとか。高校ぐらいが全盛期でしたね。 |
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ZUN |
大体音楽に関してメジャーな曲は自分で弾かなくても聴けるって思ってたし、聴いてると思ってたから。今思うとその頃聴いてた曲のタイトルとか出てこないんですけどね(笑)。 |
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Uni |
大学からは友達の影響でジャズとかふゅーじょん的なやつを、なんかカフェで演奏してようなのを聴きにいったりしてました。同じ曲をやっても、その回ごとにソロとか演奏が違うみたいな。 |
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ZUN |
意識高いやつだ。 |
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―― |
ZUNさんも結構ジャズお好きですよね? |
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ZUN |
うん、ジャズは大学ぐらいのころによく聴いてましたね。 |
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―― |
それは何かキッカケが? |
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ZUN |
意識高かったんじゃない? |
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All |
(笑) |
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ZUN |
よくあるポップス以外の曲も聴きたいなって。で、特に僕が思ったのはゲームミュージックが好きだったんで、歌のない曲が聴きたかったのね。ジャズでももちろん歌のあるやつはあるけど、僕の聴いてたのはそうじゃなかった。 |
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Uni |
僕もそれでインストの曲中心に。 |
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ZUN |
歌が邪魔だったんですよね、なんとなく。 |
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―― |
昔はボカロとかもないから、自分で制御できない部分というか。 |
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ZUN |
自分で曲を作ろうとしたら歌が邪魔だからね。 |
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Uni |
自分で歌えばできるかもしれないですけどね。 |
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ZUN |
そういうつもりはなかったなあ。 |
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最新作=最高傑作 |
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―― |
新作の「燕石博物誌」、これまで最高の出来ということでした。 |
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ZUN |
毎回言うからね、そういうこと。 |
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Uni |
1曲目キャッチーだって聞いてたんで、聴いてなるほどって。 |
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ZUN |
キャッチーでしょ? |
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―― |
入りは暗かったりする曲もあるんですけど、そのあとは軽快な感じ。 |
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Uni |
「シュレディンガーの化猫」とか、普段やる調じゃないですよね。長調というか、長調でもないけど僕はあれが一番好きでした。 |
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ZUN |
「シュレディンガー」は完全に思うがままに演奏した曲でしたね。何も考えてなかった。 |
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Uni |
ゲームのときはちょっと考える? |
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ZUN |
かなり考える。こういう風にしようって。音楽CDは曲を先に仕上げちゃうんですよ。今までこういうことやったことないなーってことも勢いでやっちゃうから。 |
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Uni |
制限がないですからね。 |
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ZUN |
それがいい曲になるとは限らないけど、今回は割りと上手くできたと思う。 |
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Uni |
音楽CDになるとテンションというか、変な半音を使い出す。普通のときというかゲームのときはそんなに多くない気がする。指が動いちゃうとかそういう感じなんですか? |
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ZUN |
そうですね。ゲームにも変な曲は多いんだけど使いづらいんですよ。遊んでて音楽の方ばっか気になっちゃうと、ゲームとしては邪魔になっちゃうからね。でも面白いもので、音楽単体で聴くとそういう曲の方がよかったりするんです。耳障りであればあるほどいい。 |
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―― |
装飾音とかがぐっと豊かになるじゃないですか、CD版だと。 |
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ZUN |
そういうことは考えてますよ。 |
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Uni |
僕もCDだけに入れるやつはゲームで使えないようなやつにはなりますね。 |
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―― |
「凍り付いた永遠の都」とかも、よくタイトル画面で流してるメロの主調が強くなってて、やっぱり4面から話が始まるんだって気持ちになったり。 |
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ZUN |
困ったときには使っちゃう。困ってるわけじゃないんだけど、のってくると入れちゃうんだよ。 |
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Uni |
テーマ的なものとして? |
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―― |
あれが東方Projectのテーマ曲的なものかと勝手に思ってるんですけど。 |
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Uni |
あのフレーズは僕もOPで使うかどうかよく迷います。「萃夢想」のときは4拍子で使おうと思ったら元がわからない感じになって、「緋想天」「非想天則」のときは3拍子でそれっぽいフレーズが入れてあった気がします。「心綺楼」が3・3・2で使ってて一番元のフレーズに近いですね。 |
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ZUN |
元のメロディーは3・3・2なんですよね。僕も、タイトルに使ってるやつはいつもアレンジだから。 |
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Uni |
3・3・3・2は嫌ですね。その原型はどの曲に当たるんですか? |
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ZUN |
最初にそれが出てきたのが「永夜抄」。4面道中があの曲の完成版(「永夜の報い~ Imperishable Night」)。イメージを突然ステージに持ってきて、そのときに出したのが3・3・3・2なの。あれはほかに崩しがたいほど気持ちがいいし、なかなかないんですよね。ずっと3拍子でいくと、割りとのんびり行進してるイメージになるけど、1拍削るだけですごく急いでるイメージになる。 |
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―― |
緊張感が出ますよね。 |
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ZUN |
そこでまた一発で3拍子に戻るのが盛り上げたかったところなの。なので4面の、急いでる場面で使ったんですよ。パンパンパン・パンパンパン・パンパンパン・パンパン! でキマる。 |
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Uni |
なるほどー……! |
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―― |
しかもそのあと出てくるのが霊夢か魔理沙っていう。 |
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Uni |
そこは演出的にすごいですよね。 |
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ZUN |
そういうことをやるために、毎回タイトル画面で同じ曲を使うみたいな。そうすると別の曲がテーマになってくるから。 |
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Uni |
そのタイトル自体はアレンジなんですよね? 3・3・3・2の。 |
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ZUN |
タイトルは、ずっと3拍子ですよ。 |
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Uni |
あとで解析してみよう。OP自体をちゃんとアレンジっていうのはしたことないんで。そこまで気にして聴いたことは無かったです。わかる構造ではありますよね。でもそういう意図だったっていうのは面白い話です。 |
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ZUN |
こうしたらああなる、と思うよりもプレイヤーを焦らせたいっていうことをテーマに生まれたから。絵を描く人だって、いちいち線画を描いてここはこう塗って光はこうって……、もちろんそうやって絵を描いていくんだけど、それよりは絵の具を取って好きに描いた方が自由に描ける気がするじゃないですか。もちろん技術も必要なんだけど。最終的にはそういう技術を掌握した後に、殴り描きで描いた方がきっと完成度は高い。音楽もね、僕はそういうものだと思うんですよ。いろいろなことを考えて作るよりは、絵の具をとって塗るかのように音楽を作りたい。だから、音楽CDを作るときだけそういうことを考えてたらいいのかもしれない。でも音楽CDだけだと発想は難しいんですよ。ゲームの中で使う曲の方が自由度上がることもある。 |
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Uni |
音楽単体というかインストは掛け算の倍率みたいなもので、単体だと力が無いですからね。0に何掛けても0のままという、ゲームとか他の演出で合わせることで、何倍もの効果を出せる。 |
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―― |
あとはアレンジ……というよりはゲームパートのCDバージョンっていう方が正しいですかね。 |
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ZUN |
ちょっとだけ聴けやすくなってるし、よりよくなってますよ。ゲーム中も本来こうであってもよかったんだけど、そんな時間は無い。多分1日ぐらい手間をかければこれぐらいにはなりますよ、でもゲームの全曲に1日かけられないから。何度も聴いた結果、こうすればよかったかなというバランス調整がいっぱい入ってるので。だから時間を置かないと無理なんですよね。 |
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―― |
タイトルは妖怪好き的には「石燕」の方が親しみがあるのですが、これは? |
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ZUN |
妖怪関係ないから。確かに石燕にもちょっとかけてますけど。とるに足らないってことですよ。同人誌ってことです。下らない博物誌ということで。 |
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Uni |
タイトルについてはどれぐらい時間がかかってますか? |
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ZUN |
超時間かかるんですよね。 |
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Uni |
ですよね!?(笑) |
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ZUN |
全部の中で一番かかる。音楽CD作るぞって決めてから、何週間もタイトルのことしか考えてないから。うにさんは、どうでした今回のCD。 |
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Uni |
唐突に(笑)。僕はさっきも挙げた「シュレディンガーの化猫」が面白かった。普通のキャッチーなよく聴く感じを混ぜたっていう感じでしたね。 |
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ZUN |
今回の中では一番最後に作ったのがその曲でしたね。 |
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Uni |
すごく細かいところを言うと、メロが複雑になってて、一部だけちゃんとユニゾンになってるところがかっこよく決めてあるなって。 |
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ZUN |
あれは僕のクセだね。最後で盛り上げるところでめんどくさくなるんです。 |
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Uni |
音は和音にして増やすよりも、同じ音を重ねた方が目立ちますからね。 |
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深秘録の音楽 |
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ZUN |
「深秘録」のアレンジに関してはすごく豪華でしたよね。作ってる人が自分のクセを出すほどでもなく、でも他の人には負けないちゃんとした曲に仕上がってる。 |
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Uni |
みんなすっごく主張してましたよ。 |
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ZUN |
俺が最高の曲だ! っていうぐらいのやりかたで、結果いい曲がたくさんできて。でも、いい曲って盛り上がる曲だからいい曲というわけじゃないんです。だけどゲームだからみんな盛り上がる曲をガンと出してくるところが凄かった。 |
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Uni |
これにストーリー入れていくとずっと盛り上がったまんまなんですよ(笑)。 |
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ZUN |
一発目というか一オチというか、その曲だけでもゲームが完成しているみたいな曲をみんな作ってきたからおもしろかったかな。全部の曲をこの人にお任せしましょうってなると、きっとこういう曲にはならない。こういうやり方は競争させてるからいいかもしれない。 |
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―― |
うにさんが担当した対戦用の曲はどうだったんですか? |
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Uni |
僕はすごいよくできた。 |
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ZUN |
うにさんがアレンジすると、普段はゲームでは使わないような曲にしちゃうので。 |
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Uni |
アレンジするときは何か既存のジャンルっぽい感じにしています。ZUNさんっぽくするとそれは原曲でいいという話になりますから。 |
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ZUN |
そうなんだけどね。でも他の人のアレンジも全然原曲に寄せてないじゃん? 強いて言えばみんなハードロックみたいな。 |
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Uni |
今回ハードロックが多いですよね。なので深秘録ではギターを使わなかったんですよ。普段はそこそこ使うんですけど。僕も一緒にやればよかったかな。 |
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ZUN |
勝負してみるのもありですよ。 |
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Uni |
元の曲というか元がアレンジだからすごく扱いづらかったんですよ。低音で刻んでいるフレーズは絶対に入れなくちゃいけないという強力な縛りがあったから。で、結構悩んでそのフレーズをプラスにしました。 |
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ZUN |
どの曲? |
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Uni |
「輝く針の小人族」。低音でデッ、デデーって。その部分をトランペットとトロンボーンのブラスで高音に配置しました。一曲丸々作り直してるぐらい頑張って作りました。没ジャージョンも存在するんですが、そっちは暗くてギターとか結構使ってた気がします。やっぱり作り直してよかった。 |
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ZUN |
好みがあるからね。それがうにさんの味と言えば味だから。 |
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Uni |
最後にZUNさんの曲があるわけじゃないですか。その前でバリバリ盛り上げちゃったらだめなんですよ。 |
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ZUN |
上げすぎると、その次に上がったかどうかわかんなくなっちゃうからね。 |
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Uni |
そういうクセは付いちゃってるかもしれないですね。 |
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ZUN |
ラスボス以上の曲はやれないからね。ちなみに他にアレンジしてる人はみんなラスボスクラス。 |
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Uni |
そうそう(笑)。それなんですよ。 |
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ZUN |
だからストーリーはおとなしいなと思ったら対戦すると超激しいわけよこのゲーム。それは「深秘録」の特徴かもしれない。元々ラスボスの曲をアレンジしてるからしょうがないですよね。むしろよかった点として挙げたい。 |
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Uni |
僕は一回アレンジをしちゃったから、他の人に頼んだんですよ。二回同じ用途のアレンジを作るのはさすがに辛い。方向性を変えるんだったら全然やれるんですけど。だからみんなに頼もうってなった結果がこれです。 |
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ZUN |
よかったですよ。面白かった |
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Uni |
ありがとうございます。PS4でも追加の曲を、ビートまりおさんが頑張って書いてくれると思います。 |
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作曲について |
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―― |
一応クリエイター対談なんで聞くんですが、作曲やるときにまず最初にやるべきことってなんですか。 |
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ZUN |
ゲームを作ってみればいいんですよ。そこに流してみればいい。 |
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Uni |
ゲームに合うようなものを。 |
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ZUN |
音楽なんて自由だからね。頭の中で思い浮かぶわけですよ。そこを形にするのは若干技術が必要なだけで、それは努力すればいいかなと。思い浮かばないんだったら、思い浮かぶような勉強をしなきゃダメだと思う。発想力が足りないんだよ。 |
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Uni |
再現するのにもなかなか手間というか、初期段階では難しいですけど。 |
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ZUN |
頭の中のものを思い通りに出すのって結構難しいんですよね。僕もいまだにできない。例えば絵だって、見えたまま描ける能力があるんだったら、写真がいくらでも描けるってことですよ。でもそれはできないわけで。 |
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Uni |
読めるけど書けない漢字とか。 |
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ZUN |
そうそう。 |
|
―― |
それは言いすぎでは(笑)。 |
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ZUN |
頭に思い浮かぶんだけど、「あれ、ここどうだっけ」みたいな。何も思い浮かんでないのに勉強したって何も作れないですよ。どうやって思い浮かぶかって部分は、いろんなものを見るしかないんじゃない? |
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Uni |
最初ってみなさんはどうだったかわかんないですけど、こういうのを見たり聞いたりしたからこういうのを作ってみたい、自分でも作ってみたいっていって作るって感じじゃないんですか。 |
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ZUN |
そうだろうね。全く何も無くて作るってことはないでしょうし。 |
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Uni |
それがたくさん混ざっていって、自分のものになっていくみたいな。 |
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ZUN |
だからいろんなもの見なきゃダメだろうね。 |
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Uni |
でも見てるだけだったらできないんですよ。良いと思った物を自分の手で再現しようとして一つの作品を作る、っていうのを繰り返すことで、いろいろな技術とかを吸収していく。今だと「自分だったらこうする」みたいな感じで、蓄積したものから引き出して作っていくんだけど、それができるようになるのは、ある程度自分の技術とか方向性がはっきりしてからでしょう。物を作る最初の段階は、自分が良いと感じた物に似たオリジナルの物を作る、という感じですかね。 |
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ZUN |
僕は自然に生まれたのね、それが。どちらかというとそれの部分に関してはこういう曲があったから真似したというのは一切なく、クセの部分は完全に自分のオリジナル部分がある。たとえば今回ジャズっぽい曲にしてみようかなって思ったとしても、結局いつも通りのものができるかもしれない。 |
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Uni |
そういう部分の方が強いんですよね、結局。 |
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ZUN |
石鹸屋さんが言ってたけど、最初のころアレンジしてたときは比較的アレンジしやすかったんだけど、今東方の曲が出てくると、音を変えちゃうと違う曲になっちゃうって。 |
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Uni |
みんな言いますねそれ。前回アレンジした人たちもそう言ってました。 |
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ZUN |
この曲はこの音じゃないといけないんじゃないかって思っちゃうって言ってて、僕としてはもう曲が完成に近づいてきてるなと思う。 |
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Uni |
メロディーだけが強い曲だったら、そこだけアレンジすればいいんですけど、メロディー以外の大事な部分が結構多いですよね。 |
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ZUN |
ある音が他のメロディーに影響してる、というのが出てきちゃって、でも僕はそういう風に作るようになってきたの、どちらかというと。 |
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Uni |
繰り返しになっちゃうんですけど、「小人族」はそういう状態だったんですよ。でもそこを解決することができたので、「俺すげえ!」って思えた(笑)。 |
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ZUN |
もともとほら、あのリズムを推さなきゃいけないと思う。あれが売りだからね。 |
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Uni |
他のアレンジしてる人で、比較してみたら面白いかもしれないですね。 |
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ZUN |
あの「チャッ・チャチャ・チャッチャ・チャチャ」でほぼ完成だから。 |
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Uni |
アレずるいんですよ。あのリズムの部分を入れつつ他の部分をどうやってアレンジするんだ? みたいな。 |
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ZUN |
アレはメロディーじゃないんだけど、曲としてはあそこの方が重要。 |
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―― |
ということで話は尽きないのですが。CD用にどんな曲を作りましょう。うにさんはやっぱり「永夜の報い」を? |
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Uni |
ちゃんと拍子を意識して作ります。今までずっと3・3・2だと思ってて、3・3・3・2だったと今日気付きました。びっくりです。 |
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ZUN |
あれをメインにするっていうのはね、勇気いる。たいしたメロディーじゃないからさ。 |
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―― |
ZUNさんはどうしましょう。 |
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ZUN |
いやー、うにさんがいるんだったらあれでしょう。「深秘録」か何かのうにさんの曲をアレンジ……できないよね、僕の曲入れるしかないでしょう。そもそも僕はアレンジする能力ないので。 |
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